新卒管理栄養士が給食会社(委託)に就職するメリット

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新卒就活

管理栄養士が就職活動を行う際に、一番内定をゲットしやすい「給食会社」。

就活生
就活生

とりあえず内定がもらえそう。病院や施設に就職するこだわりもないし…。無職になるの怖いし、とりあえず採用試験受けよっと。

しかし、

就活生
就活生

給食会社について情報収集をしていると、悪い情報が入ってくることが多い…。ブラックとか。

Nさん
Nさん

ええ、そうですとも、私も、委託で酷い目にあったことがあるので、悪口いいがち。

でも

私は、自分自身が給食会社という位置からキャリアをスタートさせたことを後悔していませんよ。

今回の記事では、給食会社に就職するメリットをお話します。

直営と比較すると教育体制が整っている

給食会社に就職する最大のメリットは、教育体制が整っていることです。施設や病院には管理栄養士の配置人数が少ないため、毎年新人を採用し続けることは難しく、新人教育のための方法を整理している事業所は少ないもの。

給食会社は「企業」なので、毎年一定数の新卒を採用します。そして、その新卒に仕事を覚えてもらうための、研修や教育を実施しています。

一般的に直営といわれる病院や施設も、新人を放置することは少ないですが、「社会に出たことがない新人をイチから育てる」余裕はないことが多いです。

Nさん
Nさん

1人の先輩が1人の新卒を教育するより、100人栄養士がいる企業のメソッドを使って10人の新卒を教育するほうが、教育を受けやすいのは当然ですよね。

私(施設ひとり勤務管理栄養士)も「名刺交換やビジネスメール、電話のとり方から教えないといけない新卒」を教育する余裕はありません。

キャリアのスタートには先輩がほしいもの

そもそも、委託が入っている高齢者施設などでは管理栄養士を複数名採用する余裕はありません。

管理栄養士の仕事を理解していない経営者が経営している施設では

悪徳経営者
悪徳経営者

管理栄養士なんか人件費の安い新人が1人いれば十分じゃ!

なんてことも…。

新卒は右も左も分かりませんから、「確実に先輩がいる環境」を得ることができる点は、給食会社に就職を決める最大のメリットといえるでしょう。

年齢を重ねてくると後輩もほしい

病院や施設の管理栄養士は、基本的に退職することが少ないです。

中堅栄養士
中堅栄養士

「栄養管理に携われる仕事」がしたい、「厨房業務だけになるのは嫌」よ

こんな管理栄養士が、仕事を退職するでしょうか?結婚や出産などのライフスタイルの変化、人間関係が悪い、体調を崩した、などがない限り、なかなかやめないですよね。

すると、こういう悩みを持つ人もいます。

中堅管理栄養士
中堅管理栄養士

病院に就職して5年。管理栄養士業務も板についてきた。先輩は3人で、みんなベテラン。あれ?私、いつまで下っ端やるんだろ。

人間関係が良い職場であれば、こういう悩みを持つことは少ないかもしれませんが、人の流動性がない職場では、いろいろ悩みも出てくるもの…。

給食業務以外にも携われる可能性がある

給食会社は、企業なので、「利潤追求」をする組織です。

そのため、給食業務以外でも、利益になるアイデアがあり、それが採用されれば、給食業務以外に携わることができる可能性もあります。

例えば、「あすけん」という有名なダイエットアプリを作っている会社は、「グリーンハウス」という給食会社です。

業界大手企業である「エームサービス」は、野球場の売店の運営に携わっています。

また、給食会社の現場から新人教育を行う部署や、研修を行う部署、各施設の管理栄養士の相談役や衛生巡回などの業務も、中堅以上の給食会社には存在します。

若いうちから年収400万以上が狙える…らしい

管理栄養士の給料が安いことは有名な話で、昨今では給食会社の方が、若いうちから高収入を目指しやすい傾向にあります。

その理由は以下のことが考えられます。

・役職者になりやすいため、役職手当を若いうちからもらえる
・病院より人気職場でない傾向があり、高い給料を払わないと人が雇えない
・大手企業であればスケールメリットで会社自体が儲かっている

Nさん
Nさん

病院や施設管理栄養士は人気であるため安い給料でも人が雇えてしまうため、その結果、委託の栄養士さんのほうが給料が高いことも…。

ちなみに、管理栄養士の給与は300万から350万がボリュームゾーン。若いうちは残業をしないと、年収200万円台になることもあります。

合わない事業所に配属された場合、異動させてもらえる

給食会社は、同じ地域に複数の事業所を運営していることが一般的です。そのため、配属された職場が合わなかったときに、異動させてもらえることがあります。

病院や施設は、法人が大きくない限り、合わなかったら退職、ということになりますので、退職ではなく異動という選択肢がとれるのは給食会社の大きなメリット。

病院や施設はいくつか事業所を持っていても、その施設に管理栄養士は1人しか必要ない、異動先の手配ができない、という事情から異動させてもらえるケースは少ないです。

Nさん
Nさん

病院は「求人をかければ管理栄養士の応募が多い」ことを過去の事例から学んでいるケースも多いため、給食会社と比較すると、退職者が出ても人の補充が容易という面もあります。

どんな職場にも言えることですが、働きやすい職場づくりには、「良好な人間関係」が欠かせませんよ。特に新卒で人間関係の悪い現場に配属されてしまうと、その後がトラウマになってしまうかもしれないし、栄養士が嫌になってしまうかもしれない。

人間関係は合う合わないがあるし、万人受けする職場はないもの。一度躓いても、履歴書に残らない状態で、次の職場に挑戦できることは委託のメリットといえるでしょう。

30代のNさん
30代のNさん

新人さんは仕事ができなくて当然なので、優しく教えてもらえる環境でないと、なかなか仕事を覚えられないです。

ある程度ベテランになると、少々のことは戦えてしまうけどな…。

比較的、産休育休、介護休暇や時短勤務がとりやすい

産休育休や介護休暇、子供が小さいうちの時短勤務をとりたい、とらないと生活が成り立たないとき、給食会社では、これらの制度を使いやすいです。

ひとり栄養士
ひとり栄養士

ひとり勤務の管理栄養士の場合、その管理栄養士なくしては施設の運営がなりたちません。でも、ふたり雇う余裕は施設にありません。つまり、時短勤務をとれば、非常勤の管理栄養士を採用しないと配置基準を満たせません。産休育休をとったらフルタイム勤務ができる代替人員を採用しなければなりません。

また、病院で複数管理栄養士がいても、普段3人で仕事をしている栄養科で、1人が時短勤務、1人が産休に入るとなると、どうなるでしょう。残る1人の負担が大きいうえに、非常勤職員を急遽採用しなければ、現場は回りませんよね。

もちろん、給食会社も人手が有り余っているわけではありません。むしろ人手不足の会社が多いものです。しかし、100人いる栄養士の1人が減っても、カバーし合えるのが、複数の栄養士・管理栄養士を採用している会社のスケールメリット。

給食会社の中には、こういった制度を整えて、それを自社の強みとして新人採用をしている会社もあります。人生は仕事だけではありません。若くして家庭を作りたいと思っている学生さんは、就活のときに産休育休の取得状況も確認しておきましょう。

最悪、国家試験に落ちても内定取り消しにならない

これは少しイメージの悪いメリットですが、給食会社の場合、国家試験に落ちても内定取り消しにはなりません。

給食会社で行う業務の中には「管理栄養士免許がないと法令上アウトなもの」がないためです。

そのため、「栄養士」でも採用したいのが給食会社。

病院や施設は「管理栄養士でないと法令上アウト」であることが多いため、国家試験に落ちた学生は、内定を取り消されることもあります。

成績がよくない学生
成績がよくない学生

このままじゃ国家試験落ちるかも…まずは、栄養士として就職しよう…。

上記のような学生さんでも、内定を取り消されることはありません。もちろん、管理栄養士を持っているほうが良いですし、せっかくなので取っておくことをお勧めします。さらに、資格手当がもらえる会社がほとんどなので、勉強をしなくてもいいという意味ではありませんよ!

Nさん
Nさん

私の就職した会社は、管理栄養士をもっていたら給料3万円アップでした。仕事のできる短大卒2年目の先輩より、大卒新人管理栄養士の給料の方が高い状態でしたね。それだけ国家資格は評価されるものなので、とっておきましょう。

私も給食会社に就職してとかったと思っている

冒頭で「悪口いいがち」と書いてしまいましたが、私は給食会社に就職したことを後悔はしていません。

2個目の現場でひどい目にあい、20連勤以上したり、病院管理栄養士がクレーマーで「えらいめ」にあったりしたのですが、1つ目の現場が管理栄養士としての基礎を作ってくれました。

1年目から、献立発注在庫管理、シフト作成を学べた!

私が最初に配属された現場は、私(1年目)、先輩(3年目)、調理師(正社員4名)、パートさん(10名くらい)の現場でした。

先輩が責任者をしていたため、先輩の仕事は主に全体を管理すること。

しかも、その先輩が素敵でした。

先輩
先輩

現場全体の管理をしたいから、栄養士の実務の部分はやってみてね。全部チェックはするから、間違ってたら言うね。

調理場の仕事は覚えるため程度で入ってみたらいいけど、人手が足りないところとか手がかかるところが分からないと「現場責任者」じゃないと思うから、私はそっちやるし。

素敵な先輩と出会えたので、一年目から献立発注、在庫管理、衛生管理の帳票管理、などをやらせてもらえました。今も献立が立てられるのは、この先輩のおかげです。「給食管理」の流れを教えてもらえました!

もし、最初の職場が、今、自分がいる職場だったら、私は全然仕事を理解できないままだったと思います。

Nさん
Nさん

中堅給食会社だったんですけど、大きく広げすぎて現場が大混乱しているときに入社したので、悲しいことに、ちゃんとした研修は受けられませんでした。でも、この先輩との出会いが、給食会社に就職してよかったって思っている理由です。

今の職場での「給食会社の管理」に役立っている

私の今の職場は給食を委託しています。

委託の栄養士さんはよくやってくれていますが、施設と給食会社は、時に「お互いの利益が異なること」があります。

そのような時に、相手を理解しながら話し合いを進めることができることや、悲しい話ですが、相手がずるできてしまうところをある程度理解しているので、直営経験しかない管理栄養士では、なかなか苦戦するやりとりも、スムーズにこなせているのではないかな?と思っています。

最後に

新卒管理栄養士が給食会社に就職するメリットを書きました。

私自身、給食会社から働き始めたため、給食管理はそこそこ得意な仕事になりましたし、委託さんとの調整にも、給食会社で働いたときの経験が役立っています。

ただし、給食会社へ就職する場合、会社選びを間違えるとメリットは享受できません。

一般企業に就職する学生が「零細企業より大手企業に就職するほうがメリットが大きい」と考えているように、給食会社もその傾向があるといえます。

給食業界だけにいえることではありませんが、「大手のほうがホワイト企業が多い、大手でも一部人を使い捨てるような職場がある」のが現実。

以下のような会社は、ブラックである可能性が高いので注意しましょう。

・先輩からの評判が良くない会社(私も古巣は後輩にすすめません)
・個人経営の会社(ワンマン経営の可能性がある)
・新卒の採用人数が多すぎる会社(それだけ人が辞めているということ)
・人事の対応が一般企業と比べて雑な会社(窓口がそういう対応をするということはつまり…)
・零細企業(先輩・教育体制が不十分。給食会社で新卒が得られるメリットが少ない)

給食会社、病院、施設、それぞれの就職先にメリットもデメリットもあります。一番最初の就職先は、今後の社会人生活に大きな影響を及ぼす重要な第一歩。いろいろな情報を集めて、後悔しない選択をしてくださいね。

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