管理栄養士国家試験に受かるための勉強方法を6ステップで解説

国試対策

私が国家試験の勉強を始めたのは、大学3年の秋ごろでした。

私の大学はいわゆる「管理栄養士養成校にしてはわりと偏差値が高め」で、「国家試験に受かるのは当然で4年生は研究に没頭しなさい」という、「国家試験対策にはあまり力を入れていない」学校でした。

そのため

学生時代
学生時代

学校の成績は良いはずが何故か国家試験の問題を見ても良く分からない

という現象が起こっていました。

それもそのはずです。国家試験に受かるためには「国家試験対策のための勉強」が最も効率が良いのです。単純に国家試験レベルの知識を身に付けても、「試験問題を解くことに焦点を当てた勉強」をしていなければ、効率よく得点することができません。

今回の記事では、これから管理栄養士国家試験のための受験対策を始めようと考えている人に向けて、対策を始める前の作戦会議になるようなお話をしたいと思います。

*この記事はこんな人にオススメ!

受験生
受験生

管理栄養士国家試験に挑戦するぞ!

➡でも就活で忙しい

➡既卒栄養士組だから仕事で時間がない

➡何から始めたらいいか分からない

➡学校の勉強と国試勉強は別なの?

➡とにかく受かりたいんだけど……

ステップ①まずは「分野」を知る

国家試験の出題範囲は、次の分野と決まっています。

これは、厚生労働省が発表している試験概要で定められており、数十年間変わっていません。

まずは、これらの分野の繋がりを知り、対策をしていく順番を決めましょう。社会・環境と健康から始めて給食経営管理論で終わる勉強は非常にナンセンスです。

管理栄養士国家試験試験科目

ア社会・環境と健康

イ人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

ウ食べ物と健康

エ基礎栄養学

オ応用栄養学

カ栄養教育論

キ臨床栄養学

ク公衆栄養学

ケ給食経営管理論

多くの参考書は、アからケまでを、この順番に取り組めるように作成されていますが、国家試験の出題分野は、仲間分けをすることができます。

繋がりが深い分野その①

イ人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

エ基礎栄養学

オ応用栄養学

キ臨床栄養学

繋がりが深い分野その②

ア社会・環境と健康

ク公衆栄養学

単独で暗記をする分野

ウ食べ物と健康

カ栄養教育論

ケ給食経営管理論

繋がりが深い分野その①とは?

繋がりが深い分野その①は

繋がりが深い分野その①

・人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(26問)

・基礎栄養学(14問)

・応用栄養学(16問)

・臨床栄養学(26問)

としました。

これらの分野を攻略するために必要なことは「体の構造と栄養の知識が必要で、その知識を使って臨床や年齢別の栄養管理の知識をつける」ことです。

基礎・土台となる「・人体の構造と機能及び疾病の成り立ち・基礎栄養学」で習得した知識を発展させて「・応用栄養学・臨床栄養学」を学んでいく科目となります。

これらの4つの分野は繋がっていますので、まとめて学習するようにしてください。さらに、これらは4つの分野で合計82問出題され、全体の41%に該当します。この4つを完璧にするだけで、4割の得点ができるのです。合格ラインは6割ですから、この分野をまとめて極めておくと、試験対策を有利に進めることができるでしょう。

繋がりが深い分野その②

繋がりが深い分野その②には

繋がりが深い分野その②

・社会・環境と健康(16問)

・公衆栄養学(16問)

を分類しました。

これらは、重複することばかりでもありませんが、保健制度や公衆の衛生など、共通項が複数ある分野です。例えば「国民健康・栄養調査」は「社会・環境と健康」でも「公衆栄養学」でも出題されます。

お互いがリンクしているため、片方で勉強した知識がもう片方の分野でも出題されることもあるため、まとめて勉強しておくと効率よく勉強することができますよ。

この分野は合計32問が出題され、全体の約16%を締めます。

単独で暗記をする分野

単独で暗記をする分野には

単独で暗記をする分野

・食べ物と健康(25問)

・栄養教育論(13問)

・給食経営管理論(18問)

を分類しました。

この3つで出題される内容は、あまり他の分野と関わりがありませんので、単独で勉強すると良いでしょう。

この3つの分野の特徴としては、

(1)栄養教育論(13問)と給食経営管理論(18問)は勉強する内容の厚みに対して出題数が多い

(2)食べ物と健康(25問)は、勉強する内容の厚みに対して出題数が少ない

という特徴があります。

食べ物と健康は25問あるため、配点が大きく落としたくないと思うところかもしれません。しかし、参考書を見てみると分かる通り、「非常に膨大な量の暗記」が必要な分野です。そして、その知識が「他の分野で問われることはほぼない」という特徴があります。

よって、暗記が苦手な人にとっては、ウ食べ物と健康は、「暗記量に対するコスパが悪い」分野といえるでしょう。

ステップ②攻略していく順番を決める

分野別に各分野の繋がりを分類したら、次に攻略していく順番を決めましょう。

私のオススメは

  1. 繋がりが深い分野その①(人体の構造、基礎栄、応用栄、臨床)
  2. 繋がりが深い分野その②(社会環境・公衆栄)
  3. 単独で暗記をする分野(食べ物と健康・栄養教育・給食経営)

です。

繋がりが深い分野その①(人体の構造、基礎栄、応用栄、臨床)は、「暗記より理解していく」ことが必要な分野です。そのため、一度知識が身に就くと、「抜けにくい」傾向にあります。1つ理解をしながら知識を積み上げていく分野を先に攻略し、試験対策後半に暗記が中心となる繋がりが深い分野その②(社会環境・公衆栄)や単独で暗記をする分野(食べ物と健康・栄養教育・給食経営)に取り組む方法がおすすめです。

ステップ③参考書と問題集を選ぶ

国家試験対策に必要な参考書・問題集はそれぞれ各1冊、合計2冊です。

管理栄養士国家試験対策には、この2つ以外必要ありません。

最終の仕上げとして一問一答などを購入することを否定はしませんが、まずは参考書と問題集がそれぞれ1冊あれば十分です。

参考書・問題集は徹底的にやりこめ!

受験勉強を始めてみると、つい不安になって冊数をこなそうとしてしまったり、友人が自分と違うテキストを使っていると、不安になったり真似したくなったりしてしまいます。

しかし、大事なことは、1冊のテキストをやりこんで、知識や問題を解くテクニックを定着させることです。1冊の本を「この問題集は全てマスターした」「この参考書の知識は隅から隅まで全て身に付けている」という状態になるまでやりこみましょう。

問題を解く量を増やしたり、知識の確認をしたりする作業は試験直前で十分です。まずは実力をつけることに意識してください。

こんなモノには手を出すな!

参考書や問題集を選ぶ際には、「大手出版社が作ったテキスト以外」のものは不要です。

こんなモノには手を出すな!

・「10日で合格!」というようなネット上の怪しいテキスト

・無料や格安でも「素人が作った」サイトやレジュメ

インターネット上には、お金儲けのために作られた「楽して合格しそうな教材」がありますが、管理栄養士国家試験は出題範囲広いので、楽して受かることはできません。「楽して合格しそうな教材」は詐欺商法のようなものと思っておきましょう。

たちが悪いと言えるものが「素人が作った勉強サイトやレジュメ」です。通学・通勤中にYoutubeを聞き流す程度であれば良いですが、本格的な試験勉強に「素人の教材」は使わないようにしましょう。

素人が作った勉強サイトやレジュメは、「国家試験に9割以上で合格した合格者が教える……」とか「現役管理栄養士が解説……」とあり、価格も良心的。ついつい「私も9割得点したい!」「しかも安い!」と手を出しそうになります。

しかし、一拍おいて考えてみましょう。そういった人たちは「受験者として優秀なだけ」です。本当にプロが作った参考書を超えることができると思いますか?

「優秀な人が無料または格安で教えてくれる!」と期待してしまう気持ちは分かりますが、大手出版社のプロの著者の知識を、プロの編集者が編集した参考書こそ「何十年もの月日をかけたプロのノート」です。大手出版社が作成する本では、内容を熟知した先生(著者)の他に、著者の記述内容を分かりやすく配置する編集者、見やすくイラストを描くイラストレーター、文章を読みやすくデザインするデザイナーとたくさんのプロがアナタの勉強を応援しています。

女子栄養大学出版部のプロやメディックメディア(クエスチョンバンクの会社です)の教材を選べば間違いないですよ。

おすすめ参考書は「クエスチョンバンク」問題集は「受験必修過去問題集」

私がおすすめする参考書はクエスチョンバンクです。管理栄養士養成校の学生さんであれば、知らない人はいないくらい有名な参考書ですね。

クエスチョンバンクは、参考書として調べ物をしたり、知識の習得のために使う本ですが、それに付随した問題も一緒に掲載されているため「単純に知識を付けるだけでなく、問題を解くイメージをしながら」勉強することができる参考書です。

また、表紙のイラストのように、本全体もやわらかい色彩やわかりやすいイラストで解説されているため、ビジュアルから堅苦しい難しい印象を与えないというところも評価ポイントです。

次に、おすすめの問題集「管理栄養士国家試験受験必修過去問題集」です。こちらの問題集は過去5年間の問題が約1000問掲載されています。

私がこの問題集をおすすめする理由は、問題が年度順ではなく「分野別」に編集されているためです。

後で詳しくお話しますが、私は試験全体を「分野別に攻略する」勉強方法をおすすめしています。そのため、この本のように分野別に勉強できる構成の問題集の使用を推奨します。

ステップ④分野別に「得点できるよう」攻略していく

先ほど、分野の仲間分けをしましたが、勉強する際は1つの分野を徹底的にやりこむように攻略していきましょう。

1つの分野を徹底的にやりこむ方法を基礎栄養学を例に説明します。

徹底的にやりこむとは?

①基礎栄養学の参考書を読み込む

②基礎栄養学の問題を解く(最新の過去問を除く5~10年分)

③分からなかった問題を参考書で調べながら解く

④基礎栄養学の問題を解く

⑤間違ったところに付箋をはり、参考書で不足した知識を補う

⑥付箋がついたところだけを解く

……⑤と⑥を繰り返していくと付箋が全部なくなる

⑦再度参考書を読み込んで内容を確認する

⑧最新の過去問を解いて実力をチェックする

このように徹底的にやりこむと⑧の「最新の過去問を解いて実力をチェックする」では、ほとんどの問題に正解するはずです。⑤と⑥を繰り返す中で、分からないところはどんどん減っているでしょう。

このように、勉強していくときは「広く浅くサラっとを何回も」するのではなく「特定分野の徹底攻略」を分野の数だけやりこむようにしましょう。

分野ごとのおすすめの攻略手順

私がおすすめする勉強の順番は次の通りです。

おすすめの順番

①人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

②基礎栄養学

③臨床栄養学

④応用栄養学

⑤社会・環境と健康

⑥公衆栄養学

⑦栄養教育論

⑧給食経営管理論

⑨食べ物と健康

この順番で先ほど紹介した「1つの分野を徹底的にやりこむように攻略」する勉強方法をやってみてください。

なお、学校内で国家試験のための足切りがあり、すぐに得点を高めなければならない場合は、「⑦栄養教育論」と「⑧給食経営管理論」を先にすると良いでしょう。これらは、参考書の厚みに対する出題数が比較的多いため、目先の得点源にしやすいです。特に給食経営管理論は、毎年の出題傾向が似ている(全く同じ問題は出ないが知識が重複する)ので得点しやすいといえるでしょう。

ステップ⑤模試などの問題を「通し」で解く

「1つの分野を徹底的にやりこむように攻略」する作業を終えたら、問題を通しで解いて行きましょう。実際の試験と同じように時間を計りながら取り組むと試験をイメージしやすいです。模擬試験にチャレンジしても、実力チェックができる頃ですから、模試に取り組む意義も出てきます。

模擬試験はその名前の通り「模擬となる」試験です。そのため、勉強をスタートして間もないころに受験しても、問題を解くことができず、落ち込む原因になりがちです。模擬試験にはしっかり勉強してから取り組んでくださいね。

模擬試験を受けるチャンスを逃した方は、女子栄養大学のオープン模擬問題集を使うと本番さながらの試験を受けられますよ。解答用紙を切り離すことができるため、必要な回を切り取り、本番さながらに挑戦することができます。

ステップ⑥捨てる分野と確実にする分野を見極めて仕上げていく

模擬試験などで実際の問題を「通しで」解くと、自分が苦手なところが数字で分かってきます。もし、苦手なところに取り組まなくても合格ラインが狙えそうなのであれば、無理に苦手をつぶす必要はありません。得意分野で確実に得点できるよう、得意分野の点数を落とさない努力も「仕上げ」段階では必要です。

試験前の仕上げの段階では、どの分野で何点得点できれば良いか、という視点を持ちながら学習を進めていきましょう。

管理栄養士国家試験では100点を目指す必要はありません!受かるだけ(約6割得点できれば良いのです。

Nさん
Nさん

実際に私も食べ物と健康は、学校以外では全く勉強しませんでした。他の分野で十分に得点ができれば受かるので、他とつながらない暗記科目は捨てました。

最後に

管理栄養士国家試験の出題範囲は広いです。闇雲に参考書を読むだけ、問題集をなんとなく解くだけでは受かりません。しっかりと作戦を立てて、実際に問題を解き、試験に必要なテクニックを身に付けていきましょう。

「1つの分野を徹底的にやりこむように攻略」する勉強方法を9つの分野すべてに対して行っていれば、そのころには参考書も問題集も、ボロボロになっていると思います。ボロボロになった参考書が2倍の厚みに膨れ上がった時、アナタの知識量は、きっと10倍以上になっています。頑張ってくださいね!

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