記録記入に欠かせないSOPAの書き方【栄養ケア、アセスメント、プラン】

栄養ケアマネジメント

医療現場の記録方式として採用されている「SOAP」。学生時代、臨床栄養の教科書で見たり、実習先で勉強させてもらった管理栄養士の記録で見たりと、一度は目にしたことがあると思います。

今回の記事では、施設管理栄養士が自信をもってSOAPを活用できるように、現役老健管理栄養士が、その書き方をお伝えします。

SOAPの意味をおさらいしよう

「SOAP」は、カルテを記録する際の記入方法のことです。経過を文章で羅列するのではなく、4つの表題に合わせて記録していきます。

SOAPとは?

「S(subjective):主観的情報」

「O(objective): 客観的情報」

「A(assessment): 評価」

「P(plan): 計画(治療)」

SOAPを使うと、対象者の「訴えたこと」と自分の考えた「アセスメント」の違いがハッキリ分かる、「アセスメント」に基づいて「どういう方針にしたのか」が分かりやすい、などの利点があります。

S(subjective):主観的情報 とは?

SOAPの「S」は、対象者が話した内容です。「主訴」を指します。

Sの例

・ミキサー食はどろどろで食べたくない

・血糖値が高いことは分かっているけどたくさん食べたい

・最近は暑いから食欲がないのよ……

対象者が話した内容から得られた情報を書く項目です。

O(objective): 客観的情報

SOAPの「O」は、客観的な情報、つまり、診察や検査などから得られたことを指します。

Oの例

・血清アルブミン値が3.0g/dL

・直近1週間の平均食事摂取量60%

・BMI16でやせ型と判定される

A(assessment): 評価

SOAPの「A」は、医師が行った診断や、OとSの内容を元に分析したことを書きます。

Aの例

・食思不振により、体重が減少しているため、摂取栄養量を増加できるようにする必要性がある。

・飲水の際に、コップを持ち上げ、頸部が後屈している。ストロー付きコップの使用を検討する必要性あり。

P(plan): 計画(治療・ケアの方針)

SOAPの「P」は、Aの結果、変更した計画、ケアや治療の方針、指導した内容などを書きます。

Pの例

・主食を全粥を米飯へと変更し、摂取エネルギーの増量を図る。

・補助食品を提供し摂取エネルギー量の増量を図る。

・見守りの上、刻みトロミあんかけ⇒一口大の食事変更を行う。

問題に対する具体的な解決方法の記入を行います。

管理栄養士が栄養ケア経過記録に書いているSOAPの例文

老健管理栄養士が記入するSOAPの一例をご紹介します。

(もちろん、実際の患者様の情報を書くことはできないため、あくまでも事例です)

S:主観的情報

骨折のため入院した病院で、一度むせただけなのに、すぐ刻みにとろみがかかっている食事を提供されたことが嫌。施設でも基本継続すると言われたけれど、納得がいかない。水分にトロミがついていることも耐えられない。魚をほぐされたり、一口大も嫌。とにかく普通の食事が食べたい。

O:客観的情報

・食事は車いす上で自立、前後左右とも傾きなく姿勢保持可能

・HDSR21点、MMSE20点、認知機能に課題あるが意思疎通可能

・現在の食形態でムセなし

・栄養スクリーニング:BMI16で中リスク

・MWST、RSSTとも正常

・介護士・看護師への暴言、突発的に怒鳴るなどの行動がある。

A:管理栄養士としての分析や評価

・食事中の姿勢に課題なく、ムセもないが形態アップを試みる際は看護師見守り席への食席変更が必要。

・MWST、RSSTとも正常であるが、詳細な検査ができないためトロミの必要性については多職種での検討が必要。

P:計画

・食事形態は一口大へと変更を行い、1週間看護師見守り席へ移動することする。

・一口大へ変更後、普通形態へのアップは再度評価を行う。

・1週間、トロミなしのお茶を50cc×コップ3個に分けて提供し様子観察を行う。

・認知機能に課題はあるが、会話内容をすぐに忘れるような様子はみられない。「ゆっくり食べてほしいこと、食席がしばらく変更になること、お茶は小分けにだすこと」を説明し、納得していただく。

Nさん
Nさん

私の施設にはST(言語聴覚士)がいないので、管理栄養士と看護師で状態をみて嚥下に対応しています。嚥下状態の評価は難しいのですが、このような例で対応しており、その際の管理栄養士の記録はこんな感じです。

さいごに:

SOAPは「経過記録」を書くための方針です。

問題点ごとに情報を整理することで、誰でも分かる内容にすることを心掛けましょう。今回、私が紹介した事例はSOAPが書きやすい事例ですが、認知機能に課題がある利用者様でSが書けないようなケースもあるります。その場合は、「S/O」としてまとめて情報を書いていることもありますよ。

Nさん
Nさん

しかし、現状、私の職場では管理栄養士(私)しかこれ(SOAP)を使っていません。

うちは、田舎の老健なのですが、SOAPでカルテを記入した際に、「なにこれ!?」と問題になったことがあります。一部の看護師さんと、リハビリのスタッフはご存知だったのですが、スタッフが高齢化している施設では、あまり浸透していないのかもしれません。

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