中堅栄養士がパワハラ上司にならないために覚えておきたいアンガーマネジメント

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人間関係

新人でもない、ベテランでもない、中堅栄養士のみなさん、お仕事お疲れ様です。皆さんは、仕事中に「イライラしてしまうこと」、ありませんか?

中堅栄養士は、上司からも部下からもいろいろな問題解決を求められたり、1人配置の場合は委託と他職種との間に挟まれたりと、ストレスが多いものですよね。

そんな私たち中堅栄養士に必要なスキルの1つである「アンガーマネジメント」。アンガーマネジメントとは、その言葉の通り「怒りの感情をコントロールすること」です。

今回の記事では、怒りの感情をコントロールするために必要なスキルをお話します。

「怒り」という感情を生み出すのは自分

「怒り」という感情は、危険を回避したり、自尊心を守るときに現れる、自然な感情です。自分の価値観で「〇〇すべき」ということが裏切られたということに対して発生します。

私たちが自分の心を守るために必要な防衛本能でもあるため、「怒り」を完全に排除してしまうことはできません。

心理学において、怒りとは「二次感情」というものに分類されます。

一次感情と二次勘定

・一次感情……不安、悲しみ、心配、絶望感、疲れ

・二次感情…怒り

「怒り」は、一次感情である、「不安、悲しみ、心配、絶望感、疲れ」などが貯まったときに、それを抑えることができなくなった際に二次感情として現れます。

例その①「なんで事前に確認しなかったの?」と必要以上に責めてませんか

看護師
看護師

あ、管理栄養士さん。今朝のバナナが黒くて、患者さんが怒ってたよ

NG中堅栄養士
NG中堅栄養士

そうなんですか!?厨房に確認しますね。(厨房に電話…っと)

厨房栄養士
厨房栄養士

そうなんですか?気づきませんでした

NG中堅栄養士
NG中堅栄養士

気づかなかったってどういうこと?納品時に熟成度確認した?検品で気づかないなら検品する意味ある?

厨房栄養士
厨房栄養士

……すいません。

NG中堅栄養士
NG中堅栄養士

患者さんに黒いバナナを出していいと思ってるの?だめだよね?栄養士失格なんじゃない?

厨房栄養士
厨房栄養士

……すいません。

私は委託、直営、栄養士複数人現場、委託の入った現場の施設側管理栄養士、と色々な現場で仕事をしてきましたが、このパターンで怒る中堅管理栄養士さんを頻回にみたことがあります。

このやりとりの中でのNGポイントは主に2つあり、

NGポイント

①次、どうすればいいかという議論をしていないこと

②必要以上に強い口調で相手を責めていること

の2点です。

このように文章にしてみるととてもキツイ口調であることが分かります。が、中堅どころになり、管理する側に回ると、沸々と湧いてくる「なんでそんなこともできないの?」という怒り。

この怒りをコントロールできていないことが、このような口調になってしまう原因です。しかし、言っている本人は「黒いバナナを出したせいで自分が怒った」と勘違いしているでしょう。

これが、アンガーマネジメント不足の例です。

なお、このケースの一次感情は、「利用者様に対し黒いバナナを出してしまい利用者様を悲しませてしまった」という悲しみや、もしミスが多い厨房であれば「また十分な食事提供ができていないのか…という絶望感」でしょう。

例その②「新人(委託)のくせになんでそんなこともしないの」と自分の昔と比べる

新人栄養士
新人栄養士

今日は予定があるので、定時で帰ります。

看護師
看護師

すいません。他の患者さんの入院対応等でバタバタしていて締め切りに間に合わなかったんですけど、Aさんの食事変更お願いします……

厨房栄養士
厨房栄養士

先輩すいません。急な食事変更なんですけど、どうしても今日は定時で帰らないといけないので、代わりに対応してもらえないでしょうか……?

NG中堅栄養士
NG中堅栄養士

え?食事変更は新人の仕事だよね?なんで私がやらないといけないの?そもそも締め切り過ぎての変更を受けたのはあなたでしょ?私、そんな風に先輩に仕事押し付けたことないけど?

こういったシーンも、何度か目撃したり、経験したことはないでしょうか。

この場合のNG中堅栄養士は、昔の自分は我慢していたという「苦しみ」や、目の前の新人が自分の頃より楽をしていることに対する「嫉妬」という感情が「怒り」を生み出しています。

この場合、「食事変更を受けてしまったことの是非」にも議論の余地があるとは思いますが、イライラして必要以上に相手を責めるような「私は先輩に仕事を押し付けたことはない」はいうべきでない言葉です。

これも、アンガーマネジメントができていないと言えますね。

溢れだす「怒り」への対処法

前述の通り「怒り」という感情を抑え込むことはできません。しかし、「怒りの感情をコントロールする」ことは大切です。

次に、怒りの感情をコントロールする方法についてお伝えします。

そんなに頑張らなくて良いんだよ、と自分に優しくする

栄養士や管理栄養士として長く仕事をしていると、ときに「自己犠牲」を払ってまで仕事をしてしまった、という経験はありませんか?

自己犠牲を払わなければならない、と自分を追い込んでいると、これがいつの間にか自分の中で当然になってしまい、それをしていない相手に対し、色々な一次感情が沸いた結果、怒りを生み出してしまうことがあります。

自分に対しても、相手に対しても「頑張りすぎなくていい、ほどほどでいい」という感情を持っていると、少し心が楽になるでしょう。

仕事は、なんだかんだ「やる気がなくても給与のために働くくことができる」ものです。自己犠牲を払ってまで仕事をする必要はありません。「自分がそうしてきた」から「相手にもそれを強制する」ことは、自分は本当はそうしたくなかったのに……。という心理があるのかもしれません。

中堅どころになるまで、一生懸命走ってきたからこそ、この感情が沸くのでしょう。

自分で自分に優しくしてあげることができれば、気持ちに余裕ができますよ。

書籍「危うく一生懸命活きるところだった」がおすすめ

私は、アンガーマネジメントを勉強する際には、こちらの本をおすすめします。

実は、私自身、アンガーマネジメントが上手くいけないことがあり、自分より年上の後輩に対し「おばさんのクセにこんなこともできないわけ!?」と日々怒っていた時期がありました。(もちろん、そんな言葉は言っていませんよ)

私は、怒りの感情がコントロールできないかもしれないという危機感を感じたとき、アンガーマネジメントという言葉を知りました。そして、アンガーマネジメントについての情報収集を行いましたが、基本的に「怒っている人が悪い」というようなニュアンスの文章が多く、余計にイライラが募っていくばかり……。

「怒らないようにしなければ」と怒りの感情を押し殺すことは、自分が思っている以上に難しいです。そのため、自分の心を軽くすることができるようなものに触れる回数を増やして、気持ちに余裕を持つことを心掛けましょう。

どうしても「怒り」が抑えきれないときは6秒待つ

心理学の一説では、怒りのピークは6秒といわれています。この6秒間を我慢することができれば、衝動的な怒りを抑えられる可能性が高いということです。

あ、自分は今怒りをコントロールできていないな……

と思ったら、深呼吸をして一拍置くようにしましょう。

給食会社にぶちギレそうなときは現場責任者の上司へ報告を

厨房に給食会社は入っている場合、あまりにも「お粗末な」仕事をされると、腹が立ちますよね。

給食会社にイライラするとき

・書類が締め切りに間に合わない

・料理の味や盛り付けがひどい

・委託栄養士がそれらを指導しない

・インシデントが多すぎる

ここに箇条書きにした以上に、いろいろある現場もあるでしょう。

給食会社は、施設や病院管理栄養士の部下ではありません。あくまでも業務を「委託・受託」している関係です。そのため、「委託栄養士の質を上げることや教育」は施設管理栄養士の仕事ではありません。委託の現場責任者の能力不足だと判断した場合、クレームの先は「本社の役職者」にするほうが良いでしょう。

現場責任者が解決できない問題について、相手にどこが悪いかを説く必要はなく、「施設や病院管理栄養士が正当であるにも関わらず委託側が動かない」場合は、クレームとして、上層部に処理してもらうことが懸命です。

さいごに:怒りをコントロールできる人材が増えれば栄養士業界は良くなるに違いない

栄養士・管理栄養士は離職率が多い職業です。その原因には、先輩からの「パワハラ」や、委託の場合はクライアントからの「絶対的な命令や怒りをぶつけられたこと」もかなり上位にランクインすることが容易に想像できます。

私たち中堅栄養士は「自分が委託にいたときは……」「自分が若いころは……」と、ふと思ってしまうこともあると思います。

しかし、こういった「後輩に怒りをぶつけてしまう」ことはできるだけ避けなければなりませんし、自分たちが嫌な思いをしたことを、後の世代にしてしまうことは許されるべきことではりません。

Nさん
Nさん

最近の子は……という怒りは、同世代との愚痴レベルで済ませておき、職場での「怒りのコントロール・アンガーマネジメント」をスキルとして身に付け、業界を快適なものにしていきたいですね。

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