私は管理栄養士を取得して10年近くになりますが、SNSや一緒に働く仲間や後輩からよくきく「栄養士 辞めたい」という言葉。
頑張って学校に行って資格をとったけど、栄養士としてこれ以上頑張れない…辞めたい…
実際、栄養士の仕事は激務です。やっていて思います。そして、非常に離職率が高いということを、肌で感じる毎日です。
栄養士の職場はあまりにも激務なところと、そうじゃないところの差が激しい。
あまりにも過酷な職場に就職してしまったら、すぐ辞めたくなって当然です。
今回の記事は、栄養士を辞めようか迷っているあなたへ、栄養士を辞めることに対してソッと背中を押してあげたいと思い、書きました。
結論から言いますと、栄養士から、栄養士への転職は可能ですし、栄養士から他職種への転職も可能です。
栄養士の離職率は高い!
まず、栄養士の離職率は非常に高いです。
圧倒的に人が続かないのは給食会社。
私が入社した給食会社には約50人の同期がいましたが、私が退職したとき(3年目)には、10人も残っていませんでした。
給食会社に就職したり、直営給食をやっている病院や施設に就職した栄養士は、まず給食業務に取り組みます。
給食業務を行う栄養士は非常に激務です。また、パートさんや調理師さんとの人間関係も難しい。
さらに年中人手不足で休日出勤が多い、体調も崩しやすく常にストレスにさらされている。
そりゃあ、続くわけがありません。
私は「大卒」で「管理栄養士」をとりました。同期には、新卒で有名な病院に就職した友達もいます。
が、30歳を超えた今、10人いた研究職の同期のうち管理栄養士を続けているのは私を含めて3人だけです。
栄養士を辞めたくなる理由、辞めた理由
私は現役で管理栄養士をしていますが、栄養士を辞めたいと思った回数は計り知れません。
栄養士を辞めたい理由は人それぞれですが、10年もやっていると、栄養士を辞めたいと思った回数は新卒の10倍あるよ。
栄養士を辞めたい理由①とにかく激務
栄養士の仕事はとにかく激務です。休憩がとれないことも多々あることでしょう。
一番の理由は「現場の人員が足りない」こと。栄養士さんの仕事は手伝ってもらえないけど、現場の仕事は手伝わなければならない。
献立や発注等の仕事で忙しいわけではないのに、現場のフォローをしていたら1日が終わってしまうことも…。
その結果、栄養士ひとりにかかる負担が重たすぎ、辞めたくなってしまいます。
栄養士を辞めたい理由②仕事内容が希望と違う
「栄養士」という職種で求人を募集していても、実際の仕事は「調理員のかわり」や「調理師業務」であることが多い業界。
栄養士として採用されても、栄養士業務ができない…と悩む人も多いでしょう。
特に、「管理栄養士」を持っているのに給食会社に就職してしまったケースでは、よくこの問題でも悩むはず。
調理補助や調理業務も勉強にはなりますが、こればかりが仕事になると、辞めたくなってしまうでしょう。
栄養士を辞めたい理由③手荒れや体調不良
給食の現場作業では、次のような危険が常にあります。
栄養士として「栄養の勉強」を楽しくしていたあの頃、果たしてこのような危険な職場で働くことを想像することができたでしょうか。
給食業務を行う栄養士は、常にこられの危険に曝されています。辞めたくなるのも仕方がありません。
栄養士を辞めたい理由④長時間労働で給料が安い
栄養士の給料は安いといわれています。
業界大手のエームサービスの新卒採用サイトに掲載されているお給料は次の通り。
専門職 四大卒 管理栄養士/月給179,000円~211,000円
専門職 四大卒 栄養士/月給149,000円~181,000円
専門職 短大・専門卒/月給146,000円~178,000円
https://www.aimservices.co.jp/recruit/senmon/information/
この業界の最大手はブラック企業として有名なので載せていませんが、2番手の企業で、比較的働きやすいといわれている会社さんでも、この給料です。
管理を持たない栄養士さんが、仮にボーナスを3か月分もらえたとしても、年収は220万円~270万円。
繰り返し言いますがこれは「業界大手の優良といわれる企業」の数字です。
業界大手の優良企業でこうですから、中小に就職した場合は…?想像がつきますよね。
激務に対して給料が安いのですから、栄養士を辞めたくなるのは仕方がないといえるでしょう。
栄養士を辞めたい理由⑤調理場の人間関係が悪い
栄養士の職場は、人間関係のトラブルがよく発生しています。
栄養士の職場でよくあるトラブルは上記の通りです。
調理場と栄養士のコミュニケーションがうまくいかないことも多いですが、一番つらいシチュエーションは、「クライアントの管理栄養士には逆らえない」というとき。
給食会社に就職すると、配属先に先輩がいない場合、クライアントの栄養士とやりとりをすることが増えます。が、クライアントの栄養士が理不尽な指示を出したとしても、給食会社からみたらお客様だから逆らえない、ということがあります。
最近はこの手のトラブルは減っているようですが、給食会社と病院側の管理栄養士の仲が悪いと、現場の栄養士にはどうすることもできません。
栄養士を辞めたい理由⑥若いうちから責任が重たすぎる
栄養士の多くは、研修が終わると、すぐに栄養士として現場をまとめていく立場になります。
調理員やパート、クライアントの栄養士とのやり取りも、すべて「栄養士」として担わなければならないような現場は、まだまだなくなっていません。
自分の先輩や上司となる人との距離が遠いため、自分のことはフォローしてもらえないまま、1日3回、365日の食事提供の責任が自分1人のしかかることも。
若い栄養士さんにとっては、重たすぎる責任がのしかかる。これも、栄養士と辞めたい大きな原因となっているでしょう。
栄養士を辞めたい理由⑦年相応の女性として楽しめない
基本的に、栄養士をしていると、おしゃれをすることができません。
給食業務の栄養士は、基本的には「年相応の女性が楽しめるおしゃれ」からほど通り生活をしています。
まつ毛エクステやネイルは多くの医療職でNGとされていますが、異物混入防止のため、マスカラがNGの現場も。
また、帽子に髪の毛を入れたり、下着にまで給食の臭いが染みついてしまうため、仕事帰りにデートや飲み会に参加できるような仕事ではありません。
若いうちにアフター5(6)を楽しめないってけっこうつらいですよね。女性に限った話じゃないかもしれませんが…。
栄養士を辞めたい理由⑧栄養士自体が軽視されがち
給食会社の栄養士は、病院の管理栄養士より立場が低いことが多いです。しかし、管理栄養士そのものが、あまり病院や施設において重要なポジションとして扱われていることはありません。
看護師や介護士との関係で悩んで仕事を辞めてしまう人もいます。
もちろん、そんな職場ばかりではありませんが、栄養士の立場が低い職場に就職すると、栄養士に将来性を感じられなくなるのも、無理はありません。
栄養士から異業種・企業に転職する方法
では、「栄養士」そのものが嫌になってしまったらどうしたら良いのか。
もう、そんなときは「まったく違う仕事」に挑戦するしかありませんよね。
未経験の業種に転職する際は「転職エージェント」を使って!
栄養士そのものを辞めて、違う職種に就職するなら、転職エージェントがおすすめです。
- やりたい仕事が決まっていなくても相談にのってくれる
- これまでの経歴や希望にあった仕事を紹介してくれる
- 履歴書や職務経歴書の書き方を教えてくれる
- 面接日程の調整をしてくれる
- 面接の指導をしてくれる給与交渉をしてくれる
特に新卒で栄養士になった人は、「一般企業向けの就職活動」をしていない人も多いですよね。総合職や一般職として転職する場合、転職市場でのライバルは、普通の就活をしてきた同世代になるので、特殊な業界にいた人は、戦術をあまり持っていないものです。
そのため、転職エージェントを使って、転職の戦略を担当者と一緒に練りましょう。
転職エージェントと転職サイトは全く違うものです。転職エージェントは、「専門のコンサルタントが無料で転職支援をしてくれる」サービスですよ。
転職サイトは、求人の応募や、上に上げたような手順を全部自分で行わなければならないため、まったく違う業界に行く場合には、あまりおすすめできません。
私も、かつて転職エージェントを活用して、栄養士から総合職(編集業)へ転職したことがあります!そのときの経験は、別の記事で詳しく書いていますので、参考にしてください。
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転職エージェントは、もちろん「全て無料」で使えます。登録したからといって、必ずそこから就職しなければならないわけではありません。無料で使えるサービスなので、一度登録だけでもしておくと良いでしょう。
ハローワークは「栄養士」⇒「栄養士」では使える!
栄養士と辞めた後の職探しに、ハローワークはあまりおすすめできません。
理由は、先ほどもお話した通り、「転職市場でのライバルは、普通の就活をしてきた同世代」であるため、専門職である栄養士が1人で戦うことは、ハードルが高いであるためです。
ただし、栄養士を完全に辞めるわけではなく、今の職場を辞めて、次も栄養士として仕事をするのであれば、ハローワークも十分活用できます。
栄養士からの転職で使える志望動機や自己PR
栄養士を辞めた後…すぐに辞めたら自己PRとかできないですよね…
確かに、栄養士が栄養士を辞め、ほかの職種を目指す場合、もっともらしい退職理由や次につながる自己PRってなかなか考えにくく、転職活動のネックになっている人も多いでしょう。
考えられる例文を、私のほうで作ってみましたので、自分なりにアレンジをして使ってみてください。
まずは、退職理由。
仮に「逃げ」の転職であったとしても、本音がしっかり詰まった、嘘偽りない退職理由として使えると思います。
次に、志望動機です。栄養士から一番転職しやすい事務職の志望動機は以下のようなものでどうでしょうか。
これは私が実際に「給食会社栄養士」から「総合職」へ転職した際の退職理由は前職で身に付けたことを話した際の内容をもとに作りました。ぜひ、参考にしてくださいね。
なお、今回は事務職向けの志望動機を書きましたが、転職エージェントでは志望動機の添削なども行ってくれますので、退職理由や自己PR、志望動機の作成が苦手な方は、転職エージェントの担当者さんと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
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栄養士を辞めることは意外とノーリスク
管理栄養士養成校の偏差値は上がっており、人気の進学先ですが、社会にでると
栄養士ってつらい…やめたい…
という悲しい声が後を絶ちません。
その理由は、先ほども話した通り、色々あるでしょう。
でも、私たち栄養士は、永遠に栄養士です。「栄養士」という職業に就かなくても、「栄養士免許」が消えることはありません。
栄養士が嫌になって、心が病んでしまう人もいます。心が病んでしまったら、なかなか元には戻れません。体を壊してもいけません。
そうなる前に、栄養士がつらいなら、辞めてしまいましょう。
私も、一度辞めました。辞めてよかったと思っています。
そして、栄養士の正解には、免許がある限りいつでも戻ってこれます。
もし、転職に失敗しても、栄養士の免許があれば、必ず違う職場がアナタを必要としてくれます。
栄養士を辞めたいと思っているのなら、一度辞めてみると良いですよ。悩んでいる時間がもったいないです。不安はあるかもしれませんが、悩むより行動をするほうが「心と体の健康」には絶対に良い。
最後に
今回は、栄養士が栄養士を辞めたいと思う瞬間や、栄養士を辞めて違う仕事に就く方法についてお話しました。
栄養士の職場は過酷なところが多く、給料も安いため、業務内容が嫌になってしまったら、長くは続かないものです。
転職をする際には、転職エージェントを活用して、プロのサービスを受けながら転職することをおすすめします。
栄養士は栄養士の世界しか知らない人が多いので、一度全く違う業界に足を踏み入れてみると、思ってもいなかった、自分にあった仕事が見つかるかもしれません!
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