私が管理栄養士の仕事を辞めたいと思わなくなったきっかけ

辞めたい時

新人の頃、管理栄養士の仕事を辞めたいといつも思っていました。

Nさん
Nさん

管理栄養士の仕事って地味だし、他の職種より立場が低いし、給料も安いしやってられない。土日も休めないしシフト制だし、年末年始も土日祝も仕事。しかも同世代がいないからOLさんみたいに同期や先輩と遊んだり恋愛したりできない。なんか帽子かぶっててださい。栄養科は閉鎖的で空気が独特。もう辞めたい。

新人のころの私は、いつも今書いたように悩んでいました。「免許とったし、正社員で働かないと体裁が悪いから、嫌々栄養士をやっている」という状態。

年末年始や土日は休みたいし、日勤帯だけで仕事がしたいのに、栄養士だからシフト制で辛い思いをしている……完全に、「生きていくために嫌々仕方なくなる仕事」でしかありませんでした。

そんな感じで、嫌なことを頑張るしかない、と割としんどい思いをしながらやっていたんですね。

しかし、不思議なことに、今の私は、管理栄養士の仕事を辞めたいと思っていません。

今回の記事では、栄養士・管理栄養士を辞めたいなと思っている人へ向けて、私が「死ぬほど辞めたかった管理栄養士を何故か続けている理由」「なぜか辞めたいと思わなくなったきっかけ」をお話したいと思います。

栄養士を辞めたいと思わなくなった理由①省エネで仕事ができるようになった

私は今も「周りで働いている栄養士とは合わないな」と思っていることが多いです。

給料が安くても自己犠牲を払って働くべき、とか、栄養士という仕事は素晴らしいから給料が安くても仕方がない、とか、なんか一生懸命すぎる栄養士・管理栄養士と良く出会うんです。で、私はそういう人とは相性が合わない。

残業したら残業した分だけ、それが研修であってもお給料がほしいし、高い栄養士会の会費を自分の身銭を切ってまで払いたくないと思っているタイプは少ない印象です。

私はとにかく省エネで働きたいんです。仕事って楽なほうが良いと思います。利用者さんに「美味しい」と言ってもらえたり、栄養状態が良くなって褥瘡が治ったりするとやりがいを感じます。そのための勉強もできる限りしたいと思っています。でも、それ以上に定時で帰りたいし残業代がほしいんです。この業界以外では当たり前の労働者の権利を享受したいんです。

で、今の私は、勉強はある程度ちゃんとするけど、残業してまで誰かのために働いたり、自己犠牲を払うという行動を一切やめました。複数名の管理栄養士と働いていたときは少し浮いていた時期もあるけれど、そんなことより、自分を大事にするようになりました。

若いときは、周囲の人間関係が大事だったし、自分だけ「浮く」ことに対する不安ってすごくあったんですけど、そんなことより「自分にとって働くために大切なことは何か」を考えて動くようになりました。なんだか自然と楽になります。

もちろん、お給料を頂いている以上、責任は果たさないといけません。でも、無駄を省いて効率的に仕事を進めるためにはどうすれば良いかを考え、その無駄を省くことを邪魔する人のことは気にしないで、淡々と業務をするようになりました。

栄養士を辞めたいと思わなくなった理由②自分にとってホワイトな職場へ転職できた

今の私は、夏休み(お盆休み)・冬休み(年末年始)が休める、日勤帯のみで体力を使わない、残業代は当たり前に支給される、賃金も時給単価でそこそこ高い(時給換算したら1,500円くらいかな)という環境にいます。厨房に入らないから、最低限のおしゃれもできます。

冒頭でお話した栄養士を辞めたい理由って、この辺りのことが叶わないことに対するストレスだったんですよね。

これって、辞めたいのは「栄養士」じゃなくて、その仕事内容や労働環境にあったということだなと、今は思っています。

栄養士や管理栄養士って、子供と接する食育、最先端の医療技術を学べる病院、高齢者の人生の最後をケアさせていただく施設、その他にも活躍できる場がたくさんあるんですよね。わざわざ「親戚にあけましておめでとうございますが言えない」ような環境に身を置かなくてもよかった。これに気づくまで結構時間がかかり、気づくまでの間、ずっと栄養士を辞めたかったんですよ。

勿体ないことしたな、と思います。当たり前のことなんですけど、臨床をやりたい人がいつまでも委託にいたって一向にキャリアはつめないし、食育をやりたいのに老健で仕事したってやりたいことにはつながらない。土日休みたかったら学校給食の仕事をすればいいんですよね。

別に年末年始に仕事をしても嫌だと思わない人もいるし、グリストラップの清掃が苦痛じゃない人もいる、帽子をかぶることが嫌と思わない人もいるし、できれば人と接さずに黙々と切り込みをしたい栄養士さんだっている。

「自分にとってのホワイトな職場」「自分が満足できる仕事」を見つけることが大切なんですよね。

栄養士を辞めたいと思わなくなった理由③一度他の仕事をやってみた

私は数年OLをしていたことがあります。私はとても理系の科目が好きで、栄養学より物理のほうが好きな、ちょっと変わった栄養士です。数学とか電気の仕組みとか大好き。詳しくは割愛しますが、ガッツリ理系の知識が必要なオフィスワークという仕事をしていました。憧れの大都会の中心地でです。

OL生活は楽しかったですよ。毎日1,500円以上するオシャレな美味しいランチを、財布とスマホだけ持って食べに行き、髪の毛をゆるふわに巻いて、オフィスカジュアルな恰好をして通勤した日々は、人生で一番消費活動をして、なんだか充実していたような気がします。

でも、そういうのに「憧れた」だけで、その先になにかやりたいことがあるわけじゃないし、なんだか会社にも「飽きた」。そういえば栄養士の世界って、いろんな職場で活躍できなよな~。あ、栄養士、またやってみようかな?って思って、なぜか栄養士の世界に戻ってきたんです。

栄養士だけをやっていたときは、この狭い業界で、この仕事だけをやって生きていくことにずっと違和感を抱いていただけれど、一度違う仕事をしてみると、なんだか栄養士も悪くなかったのかもしれない、と思ったんです。委託栄養士としてクライアントのパワハラに耐えながら過ごしていた日々があったのですが、私だって管理栄養士なんだから、あっち側(クライアント側)で働けるし、管理栄養士を持っているだけで活躍できるフィールドって結構あるんじゃない?って、多分ずっと厨房で働くだけの仕事をしていたら気づかなかったと思います。

栄養士を辞めたいと思わなくなった理由④自己研磨の方法が確立できた

過去にこんな記事を書いたことがあるんですけどね。「管理栄養士、栄養士、給食の業界はあまり教育体制が充実しているとは言えません。」ということを書いているんですけど。

栄養士・管理栄養士の世界って、あんまり後輩に丁寧に教える人が少ないと思うんですよ。私も「委託1年目」以外に、先輩から何かを教わった経験って、ほとんどありません。とにかく今忙しいから、あれやって、これやって、といわれ、てんてこ舞いになり、てんてこ舞いになっているうちに、なんとなく仕事ができるようになっていく。

でも、本来、栄養士ってそんな職人気質な仕事じゃないんですよ。私たちの仕事って「法令根拠」か「科学的根拠」に基づいているんです。

私は、ある日突然、なんとなくそれに気づきました。当たり前のことだろって、養成校で勉強しただろって思う人もいると思うんですけど、現場に出て学んだことと仕事がつながった感覚というか。そして、その「法令根拠」と「科学的根拠」を丁寧に教えてあげないと、下の子たちは動けない。私の場合、先輩がこれを教えてくれないから、とりあえず私はこれを自力で勉強してみよう、と。別に当時の先輩方を批判しているわけではなくて、てんてこ舞いにならざるを得ない状況の職場に問題があったんだと思っています。まず、「法令根拠」と「科学的根拠」を体系的に整理しないと無駄って省くことができないんですよね。

で、自分で勉強ができるようになると、結構楽しくなりました。私はもともと読書が好きです。漫画も小説も。レシピ本を眺めることも好き。で、その本のレパートリーの中に「栄養」に関する本が入ってきたような感覚で、勉強が苦にならなくなりました。自分の知識は自分で磨く。自分がやっている仕事は「法令根拠」か「科学的根拠」に基づいているわけで、だれに聞かれても説明できるような知識を身に付けておくようになりました。

私の勉強方法は、もっぱら書籍です。

でね、冒頭で「自己犠牲払って働く栄養士が多くて嫌。嫌い。」って書いたと思うんですけど、「書籍代払いたくない」って人からしたら、私も変な人に見えるかもしれませんよね。

最近はオンラインで無料のセミナーがあるから、それを受講することもあるんですけど、現代はありがたいことに無料の情報が転がっていることが多いので、そういう情報を積極的にキャッチしていけば、お金をあんまりかけなくても、結構勉強ができる時代になったなあと嬉しく思います。

栄養士を辞めたいと思わなくなった理由⑤SNSとブログで交流ができた

こういう書き方で文章を書いていると、なんだか「職場で浮いている頭でっかちな変な人」と思われるかもしれません。けど、基本的に、周りの人はできる限り大切にしたいし、自分が発信した情報が誰かの役に立つと嬉しいと思っています。同じ業界に後から入ってくる人が、できる限り「法令根拠」か「科学的根拠」をスムーズに身に付けられるようになれば嬉しいなと思っていたりもします。

似た考えの栄養士さんって、リアルに周囲には少ないんですけど、SNSを使ってみると、同じ意見の人がいたり、自分と異なる意見を聞いて勉強になったりと、交流をもてることを楽しいと思っています。2020年9月現在、2,400人のフォロワーさんがいてくださるんですけど、人との交流って楽しいですよね。Twitterもブログも、「人に向けて発信している」わけですからね。

こういうありふれた日常とか、共感してもらえると嬉しい。これって栄養士やってないと分からないことなんで、栄養士をやっていたからこそ話せる内容ですから、栄養士やっててよかったなって思います。

私は出会い系サイトとか危ない!って時代の人なんですけど、最近は名前を変えて婚活アプリなんてものが流行っているわけだから、同業者との交流がSNSになったって、いいですよね、楽しいですよ。

さいごに

今回は、私が栄養士を辞めたいと思わなくなった理由やきっかけを5項目にまとめてお話しました。

どの項目も、Aという環境が嫌ならBという環境を求める、Aという手法がいやならBにしてみる、というような、基本的に嫌なことからは「完全には逃げないけど手法を変えてみる」というスタンスで物事を考えるようになりました。

少し考え方に余裕ができてきた30代。取捨選択をして、これからも充実した日々を送りながら、ゆるく楽しく責任を果たしながら働いていきたいなと思います。とりあえず、今は管理栄養士を続けられるように頑張ります。

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