大学や短期大学、専門学校で管理栄養士や栄養士を取得した後、実際に栄養士の仕事をしてみると結構しんどい…。
厨房作業はしんどいし、人間関係も悪いし、栄養士なんてもうやりたくない。栄養士になって後悔しています。とにかく栄養士なんて大嫌いです。
で、栄養士辞めてなにするの?
営業とか販売とか?事務とか?
力仕事じゃなくて、土日休みで働ける仕事がいいんで……なんとなく…事務職かなあ?
もう、とにかく栄養士を辞めたい。なんでもいいから違う仕事がしたい。新卒で就職した栄養士さんの仕事への理想と現実とのギャップが大きければ大きいほど、こういった状況になりがちではないでしょうか。
私も行き詰って栄養士を辞めて、転職したことがあります。転職活動の中で事務職の採用も受け、内定ももらいました。栄養士を辞めたいときはとにかく逃げたいって気持ちでいっぱいです。なんとなく自分にできそうなことって事務職なんじゃない?って思う人もいるでしょう。
でも、逃げの転職で栄養士を辞めて、事務職になんてなれるんですか?
その答えはYESです。ちょっとの努力と十分な対策をすれば、栄養士から事務職への転職は可能です!
今回の記事では、栄養士を辞めてなんとなく事務職に就きたいなと思っている人へ向けて栄養士から事務職に転職する方法をお話します。
事務職は栄養士を辞めた後でも転職しやすい職種
厚生労働省が2019年4月に発表した「職業別一般職業紹介状況[実数](常用(除パート))」によると、事務的職業、つまり一般に言う事務職の有効求人数は162,263件です。
結構、たくさん求人があるように見えますね。
しかし、事務職だけの有効求人倍率は0.48倍です。有効求人倍率が意味していることは「1人の求職者につき0.48社という求人数です。」ということ。先ほどの厚生労働省の資料によると、これは、全職種の中で最も低い倍率です。これだけ見ると事務職への転職は非常に厳しいものと思われます。
しかし、有効求人倍率が低くなる要因は2つあります。
まず、1つ目は事務職は応募者が多いということ。事務職を希望する方の中には、「何のスキルもないしとりあえず楽そうだから事務職」なんて動機の人も多いです。しかも、老若男女問わず。
うちの施設(ど田舎)の事務職の募集にも「若いパソコンを使える人」を採用したいのに「事務未経験の50代の応募」とか普通にたくさんきます……。
最近は性別で採用活動をしてはいけなくなっていますが、「若い女性の事務職求人との相性」は良いので、栄養士を辞めたい若年層の女性と事務職の求人の相性も良いと言えるでしょう。
そもそも、転職市場では若いというだけで有利です。栄養士を辞めたい、もう二度と栄養士なんてしたくない!という方は1日でも早く動くようにしましょう。
有効求人倍率が低くなる2つ目の要因は、求人が少ないということです。
事務職の求人は、年度によって異なりますが、全体の約15%程度。そこに、「無資格で未経験の人も応募できる」わけですから、有効求人倍率が低くなるわけです。
事務職の残業時間ってどうなっているの?
転職サイトdodaが2018年10月に発表した「15,000人の残業時間ランキング」のアンケートによると、「残業が少ない職種」の上位10位のうち7つの職種が事務関係でした。
10位の貿易事務で月の残業時間は16時間、2位の営業事務・アシスタントで11.1時間という結果でした。
残業が多く、忙殺されがちな栄養士、特に給食会社などで厨房業務に関わっている栄養士にとっては羨ましい結果ですよね。
事務職に転職する際に身に付けておきたいスキル
「未経験可」の職業に見えて、人気が高い事務職。事務職は栄養士のように資格がなくてもなれる職業なので、そのひとのスキルが見えにくいです。
未経験でOK、かつ若い方が有利ということに変わりはありませんが、もちろん、高い事務処理能力を持っている人が一番有利です。
求人を探す前に一定以上の事務処理能力スキルを身に付けておきましょう。
パソコン操作なら自分で勉強できるかな?…でもビジネスマナーとかどうやって身に付ける??
新卒で栄養士になった人、特に直営や小規模な給食会社に入社してしまうと、ビジネスマナーを身に付ける機会がないまま社会生活を送っている人も多いでしょう。
そういう人は、就職支援サービスを活用するのがおすすめです。就職支援サービスとは、転職エージェントが行っているサービスなのですが、求人紹介だけでなく、就職についてのカウンセリングや面接対策等もしてくれます。
無料で転職支援を受けることができるので、いくつか登録しておくと良いでしょう。
栄養士から事務職になる場合の事務職求人の探し方
事務職求人の探し方は、次のようなものがあります。
情報はできるだけたくさん集めて、たくさん応募していくと良いでしょう。
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転職エージェントは、もちろん「全て無料」で使えます。登録したからといって、必ずそこから就職しなければならないわけではありません。無料で使えるサービスなので、一度登録だけでもしておくと良いでしょう。
事務職は派遣から正社員になる道も!
事務職求人は人気ですが、地域によっては、派遣のほうが給与が高い、未経験でも採用されやすい傾向にあります。
事務職の中でも、一般事務ではなく、経理事務のような専門的な知識が必要な職種は、正社員になれば高給も狙うことが可能です。しかし、その一方で、未経験や無資格では採用されにくい傾向にあるため、派遣から正社員へステップアップしていくという方法も良いでしょう。
また、派遣には「紹介予定派遣」という、直接雇用前提の雇用形態があります。紹介予定派遣制度を使えば、採用側も労働者側も、お互いが納得したうえで雇用を正社員に切り替えることができるため、未経験者におすすめできる制度です。
派遣の場合は、業界最大手のリクナビ派遣に登録しておくと良いでしょう。
栄養士から事務職に転職する際の面接対策
栄養士を辞めて事務職に転職を目指す場合、一般の職業についている人はこういうイメージを持っている人が多いです。
事務職なんかつまんないよ。栄養士のほうがよくない?
私も栄養士を辞めたくて仕方がなかった時に何度も出会いました。「栄養士さんいいじゃん、なんでやめるの?」という人に。
職場はパートや調理師のおばちゃんばっかりで人間関係もよくないし、やけどはするし、おしゃれできないし、厨房くさいし、グリストラップ清掃やだし、朝4時から夜20時までのシフト制だし、盆暮れ正月関係ないし連休とれないし残業多いし……
栄養士を辞めたいという人の声は上記のようなものが多いと思います。が、世間一般の人からみた栄養士のイメージが悪くないということから、「なんで栄養士を辞めてしまうの?」という質問は必ず面接で聞かれます。私もいくつか面接を受けましたが、いつも聞かれました。
そのため、事務職への転職をする際には、栄養士を辞める理由を、ビジネス的にもっともな言い方に変えて説明できるスキルが必要です。
退職理由にあまりマイナスなことを言ってはいけないということは、転職活動における常識です。しかし、「そりゃ、続かないよね」という退職理由であれば、面接官も理解してくれます。
そして、今回の退職理由では、「体力の限界を感じているのは始発がないような時間で働いているから。普通の残業はできますよ」と伝えているので、問題ないでしょう。
最後に:栄養士から事務職になるために
求人倍率が低く、狭き門であるように見える事務職ですが、未経験でスキルがない人でも応募できるため、若い人であればとても有利に転職活動を運ぶことができます。
何も考えずにとりあえず事務職につきたい、という転職活動をしてしまうと、現実は厳しいものです。が、しっかりとした退職理由と、基本的な事務処理スキルを身に付けておけば、「栄養士⇒事務」は、決して無謀な転職ではありません。
不安な方は、転職支援サービスを活用してみても良いですよ。今回、私は退職理由のサンプルを書いてみましたが、こういった類のアドバイスを無料でたくさん受けることができます。
無料で転職支援を受けることができるので、いくつか登録しておくと良いでしょう。
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