献立作成時に覚えておきたい行事食【7月から9月】

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施設の仕事

2020年10月2日に、行事食1~3月、10月8日に4~6月の記事をアップしました。このシリーズでは、暦の上の行事食と、行事食が給食に適さない場合の工夫などを解説しています。

少し更新が遅くなってしまいましたが、7月から9月のお話をしたいと思います。

7月の行事食

7月の暦通りの行事食は次の通りです。

暦の上の行事食

・そうめん(7月7日)

・うなぎ(土用の丑の日)

うなぎは、コストのかかる食材であり、毎年価格も大きく変動します。コスト管理がシビアな給食の現場では、毎年試行錯誤して提供しているのではないでしょうか。

7月の行事食献立:7月7日七夕(そうめん)

七夕は、織姫様と彦星様が年に1度合うことのできると言われる日といわれている日です。短冊に願い事を書いて笹飾りを作るなど、食事以外にも楽しめることがある行事ですね。

七夕の行事食といえば、「そうめん」です。七夕にそうめんを食べる由来は諸説がありますが、「そうめんを織姫が使う糸に見立てて「芸事(機織)が上手になりますように」と願いながら食べる」ということが由来であるそうです。

給食で提供する七夕そうめんは、行事食の一環として提供するでしょう。普通のメニューでも提供できる冷やしそうめんを、少しデコレーションして提供すると行事食らしくなりますよ。

Nさん
Nさん

私のおすすめは、

・天の川をイメージし、カラフルなそうめんや錦糸卵でデコレーションをする

・星形の人参やオクラスライスを使用したデコレーション

等です。

今は冷凍のオクラやにんじん(星形や花形)がたくさん売られていますので、簡単に使用できる食材があれば、そういったものを活用することで簡単に華やかなお食事を作ることができますよ。

Nさん
Nさん

個人的にはにんじん(冷凍)はあまりおいしくないので、人参だけは型抜きがおすすめ…!食数と相談ですね。

7月の行事食献立:土用の丑の日

土用の丑の日は、うなぎを食べる習慣があります。うなぎは、古くから疲労回復や食欲増進に効くといわれており、夏バテ予防に良いとされてきたためです。7世紀から8世紀に編纂された「万葉集」では、夏痩せにはむなぎ(ウナギ)を食べると良いと人に勧めている和歌があります。歴史の古さを感じますね。

土用の丑の日の日程は、年によって異なります。また、日数も2日ある年と1日しかない年があり、献立作成の前にはチェックが必要です。

土用の丑の日

2021年7月28日(水)

2022年7月23日(土)、8月4日(木)

2023年7月30日(日)

2024年7月24日(水)、8月5日(月)

2025年7月19日(土)、7月31日(木)

土用の丑の日は、その名前の通り、「土用」に巡ってくる「丑の日」のこと。「土用(どよう)」とは、立春、立夏、立秋、立冬前の18日間(または19日間)を指すしています。次に、「丑(うし)の日」とは、日にちを十二支に割り当てた「丑」の日のこと。ウナギを食べる土用の丑の日は、「立夏」前後の18日間に巡ってくる丑の日(12日ごと)なので、年2回の日と1回の日があるのです。

給食でのおすすめメニューは

給食でのおすすめメニュー

・うなぎのかば焼き

・うな丼

・うなぎちらし

・うざく(きゅうりとうなぎの酢の物)

です。

うなぎは価格の高い食材なので、「うなぎを使うことができる量」を考えながら料理を考えましょう。うなぎのかば焼きはうなぎがメインで豪華であり、高い満足感を得られますが、うなぎを60g~80g使用しなければ、お料理が貧相になってしまいます。たくさんの量のうなぎを使うことが難しい場合は、クライアントの栄養士(委託)や施設長などの上司(直営の場合)と相談しながらメニューを決めると良いでしょう。

Nさん
Nさん

7月の行事食は華やかにすべきだと思っているので、長期入所の施設では、行事のない6月や8月の材料で余力を持たせて、7月で使うというようなやりくりができたらいいなと思っていますよ。腕の見せ所。

7月のその他祝日など

7月は、行事と関係ない祝日に

7月の祝日

7月の第3月曜日 海の日

があります。

おやつのゼリーをソーダゼリーなどの季節感のあるものを提供できると、喜ばれそうですね。

8月の行事食

8月は、2回目の土用の丑の日がある年もありますが、一般的に行事とかかわりが深いメニューはない月です。

そのため、行事食はない月でしょう。

具材を豪華にしない(しなくても人気であることが多い)ちらし寿司や、冷やし茶碗蒸し(季節感を感じられる)などを提供できれば、患者様・利用者様にもお食事を楽しんでもらえるでしょう。

8月のその他祝日など

8月の祝日は次の通りです。

8月の祝日

8月11日 山の日

山の日は、2016年1月1日施行された比較的新しい祝日です。

まだ歴史が浅く、特に食事と関連が深い祝日ではありません。

Nさん
Nさん

行事食はなんだか昔から行われている尊いもののような気がしますが、バレンタインはチョコレート会社が、巻寿司はお寿司屋さんが主張して根付いてきたという説もありますから、これからの100年くらいで、何か文化ができるかもしれませんね。

私たち給食屋さんが何か作っていっても面白いかもしれませんよ!

また、山の日にはなじみがない高齢者が多いので、私は行事食カードを作って2016年にできた祝日ですよというコメント付きでお知らせとチラシ寿司を提供しています。

9月の行事食

9月の暦通りの行事食は次の通りです。

暦の上の行事食

・菊酒、くりごはん(9月9日)

・おはぎ(秋分の日)

・月見団子(中秋の名月・十五夜が9月であれば)

十五夜は、2020年は10月1日、2021年は9月21日です。10月だと思っていたら9月だった!ということにならないよう、9月の献立作成前に日程を確認するようにしましょう。

9月は、暦通りの行事食ではありませんが、「敬老の日」があります。高齢者施設はもちろん、病院も高齢の方が入院されていることが多いので、華やかなお食事でお祝いしましょう。

9月の行事食:重陽の節句(栗ごはん・菊)

重陽の節句は、菊酒や菊の被綿(きせ わた)を使い、菊の薬効により健康を祈願する行事です。

中国では奇数は縁起のよい陽の日とされているため、ひな祭り(3月3日桃の節句)、子供の日(5月5日端午の節句)、七夕の節句(7月7日笹の節句)と節目ごとのお祝いをしています。

給食では、栗ごはんの提供や、菊をイメージできるメニューが提供できるといいですね。私は、主食は栗ご飯にし、おやつに菊の形をした練切を出すことが多いです。

9月の行事食:秋分の日(おはぎ)

秋分は、夏の明るい昼間がだんだんと短くなり、日の入りが早くなることで、昼と夜の長さが同じになる日のことです。逆に、日の出が早くなり、日の入りが遅くなることで、昼と夜の長さが同じになる日を春分の日といいます。

春分の日と秋分の日は、両方ともおはぎやぼたもちを食べます。

ぼたもちは、もち米をお餅にしてこしあんで包んだもの、おはぎは粒あんで包んだものを指すことが多いのですが、「春は牡丹をイメージして大きめに作ったボタッとした感じのものを「ぼたもち」、それに対して秋は萩をイメージして小さく上品に作り上げたものを「おはぎ」と呼ぶ」ことから、季節のよってその呼び名が変わっています。

Nさん
Nさん

施設給食のおやつでは、小さい冷凍のおはぎやぼたもちの取り扱いが多いので、それを採用すると提供しやすいと思います。

9月のその他祝日など

9月の暦通りの行事食は先に説明した通りですが、先に説明した通り、敬老の日も華やかなお食事にする施設が多いのではないでしょうか。

敬老の日

敬老の日はこれを食べる、という風習は全国的に一致しないようですが、お祝いという意味で紅白まんじゅうを提供できるといいですね。

赤白両方提供できると良いですが、難しい場合は半分に切って両方提供したり、他の食材で紅白がイメージできるものを作れたりすると、お祝いしていることが伝わるメニュー構成になりますよ。

その他、赤飯やチラシ寿司など定番のメニューがおすすめです。お弁当容器でごはんを型抜きするなども、華やかなお食事ができるので良いと思います。

次回、10月から12月でラストです!

更新がとても遅くなってしまいましたが、行事食シリーズ第3弾として7月から9月の行事食をご紹介しました。

病院もそうかもしれませんが、私が勤めるような高齢者施設の場合、コロナ禍の中で面会ができない、散歩ができない、外に出られない等といった環境におかれている利用者様も多いでしょう。

楽しみが制限されている中、私たち管理栄養士ができることとして、季節を感じることができるお食事の提供、はとても大きな意味を持っていると思います。普段以上に。

私も、経験豊富なほうではありませんが、少しでも勉強をして利用者様に喜んでもらえる食事提供に力を添えていきたいと思います。

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