ブラック給食委託会社で働いたことによる後遺症のようなもやもや

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委託時代の私の話

ブラック給食委託会社で働いたことによる後遺症のように残っているもやもやとする感情と悩みをお話しします。この記事を書くことになった経緯はこちらを読んでくださいね。

今でも給食委託会社のことを信用できない

ブラックな給食委託会社で働いたことによる1番の後遺症は、給食委託会社を信用できないことです。

うるさいクライアントにはなりたくない…という気持ちもありますが、材料のこと、人材のこと、自分がやってきたようなグレーな業務を行っていないか…と疑う視点がどうしても抜けません。

発注書は必ず確認。「数」には敏感。

材料費を何割か減らす、ミキサーや刻み食を減らす…そんな管理をしている業者とは絶対に取引をしたくないので、実施食数と発注書は必ず確認しています。時にはミキサー食を作っているタイミングで厨房に足を運び、適正な分量で作っているかのチェックもしています。

一度だけですが、ハーフ食込みで8.5切れの魚が必要なところをミキサーへ8切しか入れていない場面を見たことがありました。担当調理師と栄養士への聞き取りを行い、本社へも報告を入れましたね。

もしかしたら、私が見たのは「たまたま」かもしれません。でも、給食委託会社がどこで不正を働くかを知ってしまうと、どうしても敏感になってしまいます。

現場栄養士のフォロー体制はあるのかの確認

勤務先や同法人系列施設の業者切り替えにあたり、給食委託会社の見積書をとったり、打ち合わせに参加したりしてきました。

その際に

  • 現場のスタッフさんだけで解決できない問題が発生したらどうしますか?
  • 食事摂取基準や食品成分表の改定があったときはどのように対応してきましたか?
  • 本社の支援体制はどのようになっていますか?

などの項目は必ず確認するようにしています。

私の元勤務先のように、2年目の栄養士に全ての責任を押し付けフォローもしないような体制の会社とは取引したくありません。かつての私のようなつらい思いをする栄養士を減らしたいという目的もありますが…。1番の目的は、スキルのない栄養士さんを配置したことによる質の低下を防止するためです。

特に現地採用の中途未経験栄養士や新卒を「免許があるから」という理由だけで配置してくるような業者とは絶対に取引したくないですね。

本社の話と現場の話がズレてないか照合する癖

営業が「やります」と言った内容を現場が断る…というトラブルが発生しないように、委託さんとの打ち合わせは必ず議事録を作成しておくよう心がけています。

給食委託会社は、営業部門、管理部門、本社の栄養士、現場責任者、栄養士、調理師…同じ内容の問い合わせでも誰に聞くかで全く異なる回答をする傾向にあります。中にいたときも、外から見ても実感するんですよね。

事故報告書でも、本社のコメントがあまりにも的外れだったらほんとにやってますか?って確認してしまうことがあります…。

私、すっかり嫌なクライアントになってるなあ…とへこむ

もし、この記事を委託栄養士さんが読んでたら、この時点ですごく嫌な気持ちになってますよね。私が逆の立場だったら、なってます。

給食業者の選定は「私が理想とする給食運営を行うためのパートナー選び」です。でも、営業さんのスタンスと現場の温度感が違う、なんてどこの業界でもあるあるじゃないですか(;’∀’)

良好な関係作りには心がけていますが、管理する立場としての毅然とした対応も時に必要なんですよね。

給食業務は押し付けるもの?それでいいのかと悩む

昨今は「給食業務は委託して私たち管理栄養士は栄養管理をしましょう!」という風潮ですよね。色々な勉強会に参加しているととても実感します。

特に介護保険分野では栄養ケアマネジメントの充実が進んできています。と同時に栄養ケアに使える時間がない!という相談も増えていますよね。老健協会の勉強会でも「時間がないなら給食は業者に委託しましょう。」とアドバイスをしている先生がいました。

私の法人にも、「優秀な管理栄養士を採用するために直営給食は辞めていきたい」という方針の事務長がいます。厨房業務がない職場は、勤務が規則的で働きやすいですよね。必然的に応募も増えるので、優秀な人材を確保しやすくなるとのことです。給食管理ができる栄養士の価値とは??と疑問です。

私が養成校を卒業したのは10年ほど前になりますが…。大学で、給食業者の「使い方」は学びますがそこでの「働き方」は勉強しませんでした。うちの大学だけかもしれませんが、管理栄養士にとっての給食は「直営で自分が運営するか業者に任せるか」なんだなあと。

私のような平日日勤勤務で、土日祝休みの快適な職場で栄養管理だけができる管理栄養士…。人気職種ですよね。でもその裏では、泣きながらプライベートを犠牲にして働いている委託栄養士さんがいるんですよ。

うちの業界、これでいいのかな…って漠然と悩むことがあります。

委託からは逃げるが幸せ、で止まっている自分…なんだかなあ

給食委託会社でつらい思いをしている栄養士さんには、

  • 保育園なら日曜日休みで安定しているし、栄養士免許だけでも直営給食の現場に入りやすいですよ。
  • 管理栄養士を持っているなら委託以外でも活躍できる場は広がってるよ!

とアドバイスすることが多いです。

給食委託会社の現場が合わないと感じている栄養士さんは転職すると幸せになれるよ、無理しないでねというメッセージは私の本心。実際に私もそうですし、それで現職よりよい環境をつかんだ方を何人も見てきました。

でもこれ、「給食業界」を良くすることには繋がってないんですよね。そこの部分は思考停止しているので、もやっとした感情が消えません。

今のところ委託給食の現場では働かない、給食の知識と経験を学ぶきっかけにはなるけど、長く働く場所じゃない、というのが私の中での結論になっています。

 

「かつての自分が嫌だったことを目の前で見ても何もできない自分」に対するもやもや…は、今でも消えません。

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