過去の自分に対する気持ちの整理

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委託時代の私の話

給食委託会社で散々な目にあってきましたが、会社や業界だけが悪いとは言いません。私が給食委託会社で働いてきた嫌だった、もう二度と委託では働かないと決めている理由5つと、2つの反省点をお話しします。

今回の記事はシリーズものです。この記事を書くことになった経緯はこちらを読んでくださいね。

私が給食委託会社で働きたくないと思った理由をまとめる

過去のエピソードより、私が給食委託会社で働きたくないと思った理由を5つにまとめました。

私は「業者」で「駒」でサンドバッグ、大事にしてもらえなかった

新卒の頃は、「栄養学の知識を活かして社会貢献がしたい!」と夢と希望をもって社会に出た私。しかし、待ち受けていたのは、クライアントや上司からの暴言、そしてイチ「業者」でしかない自分。

会社が私に求めた役割は違法労働にも耐える「駒」。クライアントが求めたものは「小間使いと鬱憤晴らすためのサンドバッグ」だったと思います。

本来、給食委託会社とクライアントは、良質な給食サービスを提供するためのパートナー。でも、私の勤務先には、そんな風に給食業者を扱ってくれたクライアントはいませんでした。できるだけ安く、質なんてどうてもいい、そんな環境で仕事をしていましたね…。

社会人は、「自分ができることをしてその対価として給与をもらう」身分です。でも、相手を大切にする、人として尊重する、という当たり前の関係性がない環境は間違っていると思います。

自分が「帰属できる場所」がほしかった

委託給食会社の栄養士にとって、勤務先は自分の会社ではありません。自分が毎日勤務する場所は「客先」です。勤務先に自分の「居場所」がないことは、大きなストレスでしたね。

直営給食の場合は、大きなミスをしたり、病院が倒産したりしない限り、自分の職場は守られます。でも、委託給食会社の仕事はそうではありません。簡単に職場がなくなる、常に水に浮いているような不安定さ、都合よく転勤させられてしまう…。

後から気づきましたが、私は「慣れ親しんだ職場で仲間と一緒に楽しく働く」ことに喜びとやりがいを感じます。私の会社ではそれを実現することはできませんでした。

プライベートも充実させられる環境がほしかった

委託給食会社に勤務していた頃は、「プライベートよりも仕事!」という考えで働いていました。365日動いている給食を止めることはできない。それが自分の人生にとって何よりも最優先しなければならないことだと思っていたんですよね。

そして、会社の考え方も「社員のプライベートや健康はどうでもいい。とにかく客先に迷惑をかけるな」という方針。自分の人生の時間の大半を客先の給食に掛けなければならない…。そんな人生は嫌でした。彼氏とのデート、友人の結婚式、親戚の集まり…とても大切な時間なのに、パートさんがひとりでも休んだら行けなくなる…なんてつらすぎます。

どんな仕事でも突発的な休日出勤はあるものです。しかし、それが改善される兆しがない環境は、メンタルを削っていくだけでした。年末年始や土日祝が休めないからブラックだ!というつもりはありません。社会通念上常識的な範囲の休日・人生の自由な時間が欲しかったんです。

栄養士としての仕事以外の比重が重すぎた

委託給食会社に勤務していたころ、ミスが起きないか、クレームをつけられないか、余計な仕事が増やされないかと、毎日ビクビクしていました。

自分よりはるかにベテランの社員(50代調理師)のミスの謝罪まわり。もう1つの掛け持ち先のほうが時給が高いという理由で休むパート社員の穴埋め出勤…。

ちょっと誤字(フォロワーじゃなくてフォロー)があるので恥ずかしいツイートですが

 

委託給食の栄養士の仕事でつらい部分の大半は、原因が「自分」じゃないものが多かったんですよね。

常に「他人軸」で働くことがつらかった

委託給食で働いていたときは、自分の時間も仕事も、常に「他人軸」でした。

休み希望はパートさん優先、会社の都合で応援異動休日出勤、献立の変更や使用する材料は全てクライアントの意向に合わせる

委託給食はクライアントの希望する給食を出す仕事なので、業務の特性上仕方がないこともあります。でも、自分で何かを考えて実現する仕事ではなく、常に「他人軸」で働いていたのがつらかったです。

同じ給食業務でも、直営給食では自分の出したい給食を出せました。今の私のように、委託さんに厨房をお願いする場合も、「自分の出したい給食」があって、それをどこまで実現してもらえるかのすり合わせを行います。つまり、「自分軸」の仕事ができる環境です。

仕事内容以外でも、勤務先や時間も、会社やパートさんの都合で変わってしまうことが多く、しんどかったですね。今は平日日勤の勤務ですが、朝食の状況を確認したいときは1時間早く出勤して、早く帰ったり、平日に有給休暇をとったりして、余暇を楽しむこともできます。誰かが突発的に休んでも、しわ寄せが自分に来ることはほとんどありません。(直営給食のときは少しくらいはありましたが、1人抜けたら誰かが出てこないといけないような勤務になっていませんでした)

仕事内容もプライベートの時間の確保も常に「他人軸」な環境は私にはとてもつらかったです。

自分なりの反省点

でも、原因は全て他人や会社にあったわけではありません。自分なりの反省点は主に2つあります。

「委託ならどこでも一緒やろ」と思って進路を選んでしまった

新卒の頃の私は、就職先を「委託」か「病院」かで迷っていました。厨房業務を嫌がる同級生は多かったけれど、どの仕事先でも「給食を食べて栄養をとってもらう」ことが栄養士の基本だと思っていたので、厨房の仕事はしてみたかったんです。

新卒の頃は、結婚した後に不規則な勤務はできないと思っていたので、給食は若いうちに経験しておきたいなーとか、若いなりに色々考えていました。

結局、関西ではそこそこの規模だけれど全国展開はしていない委託給食会社から内定をもらって、就活はストップ。

今思うと、面接1回で適当に内定を出すような会社、委託給食会社の中でもちゃんとした企業じゃないって見抜かないといけなかったなと思います。

大学の場所と自宅の場所が遠かったのもあり、大学にくる病院求人はほとんど受験できませんでした。情報も対して集めてなかった(ネット検索程度)だったので、まだ管理栄養士免許を取得できるか分からない新卒学生をとってくれるような病院求人との出会いはなかったんですよね。

今の私の情報収集能力があれば、もっとできることはあったのになあ…って思います。

何より、「委託給食会社は全て同じではない」こと。ここをもっと考えるべきでしたね。

大手であれば、元勤務先のようなグレーな業務を表立ってやらないんじゃないかとか…。大手は面接を複数回やるので、ちゃんと「人を選んでいる企業」ですよね。中小は「全員内定を出す」会社もあります…。

どの業界でも大手ほどコンプライアンス違反はしない、少ない傾向にあるし、もっと考えて就活すればよかったなと思います。

余談ですが、ナリコマさんの新卒説明会では「私たちがしっかり仕事をしないと、生活に困る人がいます。現場がなくなっても栄養士さんには次の勤務先が用意できますが、パートさんには通える範囲の勤務先をご用意できないこともある厳しい業界です」って言ってたんですよ。2010年ごろの話です。

私の元勤務先はパートさんを社会保険に入れないようなありえない会社だったので、従業員に対するスタンスが全然違うなと…後々気づきました。

(いい話なので、社名出しちゃいました、すいません。)

「管理栄養士の仕事はない」ことを理解できていなできていなかった

給食会社は「業者」なんですよね。病院は掃除やリネンなども委託するんですけど、給食会社もその中の1つ。専門職が働く場ではありますが、給食会社で働くことは管理栄養士になることではなく、業者になることなんですよ。

私のエピソードの多くは、自分の会社もクライアントも常識はずれな人が多かったと思います。でも、私自身がこのことを理解できていれば、もっと受け流せることも多かったと思います。

例えば、2件目に配属された病院ではクライアント管理栄養士は1名。途中で新卒の方に変わったんですが、新卒の管理栄養士を「先生」と呼び自社の栄養士を「お前・お前ら(ひどいときは、お前なんか…とも)」と呼ぶ管理職…。

この管理職のモラルはおかしいんですけど、クライアントは「管理栄養士」として働いていて私は「管理栄養士免許を持った業者の社員」なんですよ。ここを理解できていれば、イライラせず受け流せたんじゃないかな…なんて、悲しいことではありますが、自分の理解不足も感じます。

でもやっぱり、委託栄養士の専門性が尊重されない現場に遭遇すると、心が痛いこともあります。

少なくとも、こんな失礼な業者とは取引しないように上層部を説得しよう…。と、今の私にできることはこれくらいしかないかもしれません。

さいごに

今回も、私の話を聞いてくださって、ありがとうございます。

もう二度と委託では働きたくない理由を、やっと言語化できました。あの頃は毎日つらすぎて、そこから逃げ出すのに精一杯…。その後は恨みつらみの気持ちが大きくなってしまって、「悪口」や「暴言」しか言えない日々でしたが、ちゃんと人に伝わるであろう文章で、気持ちを整理できました。

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