私は大人になると生活のために働かなければなりませんよね。そして、多くの大人が人間関係で悩むもの。これは普通のサラリーマンや公務員も同じです。
しかし、管理栄養士や栄養士の働く場の人間関係って少し独特ではありませんか?そして、なぜか「なめられている」という悩みを抱えている栄養士さんが多いなと思います。
今回の記事では、職場を快適にするために「なめられない仕事の方法」や「考えられる原因」についてお話します。
職場でなめられる栄養士の特徴は?
まずは、私が実際に、給食会社や病院、施設などで実際に見てきた、周囲から信頼されていない、いわゆる「なめられた」栄養士の特徴について6つ紹介します。
特徴①声が小さくて、何を言っているのか分からない
人間は、人の話し方の口調・早さなどの話方から、38%の情報を得ているという研究結果があります。ということは、普段の話し方がおどおどしていると、「この人は頼りない人」と受け取られてしまうのです。
小さな声でボソボソ話をしていると、周囲に自分の声は届きません。もし、厨房で勤務をしているならなおさらです。
その結果、コミュニケーションが円滑にできなくなり、意思の疎通不全というような状況になってしまいます。
仕事をしているときに、声が小さくてボソボソした話し方をしていると、相手は必ずマイナスな印象をもってしまうので、次第に信頼されない、なめられた人になってしまうでしょう。
特徴②いつもオドオドしている
人間は、視覚から約55%の情報を得ているいわれていて、第一印象で相手を判断する性質があります。つまり、オドオドしたような態度や見た目だと、弱そうな人という印象を最初に与えてしまいます。
仕事でミスをしたときは、誰でも落ち込むものですが、「常にオドオドしている」状況になっていると、これは典型的ななめられる人になってしまうので、注意が必要です。
栄養士は現場のリーダーや中間ポジションになることが多いため、そのポジションの人がおどおどしていると、組織図上下の人(パートさんたち)はついてきてくれなくなってしまいます。
特徴③無口であまり話さない
仕事仲間に対して、自分のプライベートを全て開示する必要はありませんが、何も話さないということもよくありません。その人のキャラクターが見えてこなければ、対話のできない人だと判断されてしまう可能性があります。
厨房で働く人は女性が多いので、プライベートをさらけ出しすぎるとめんどくさい詮索をされるかもしれませんが、少しだけ自分のキャラクターを出しておくと、コミュニケーションが円滑になることがありますよ。
出勤時のロッカールームや休憩時間中は、少し自分の話をしてみると良いかもしれません。
特徴④何度も同じミスを繰り返している
仕事では、日々の業務を理解して学んでいく必要があります。新人のうちから全ての業務が分かるわけではないため、ミスは誰でもするものですが、同じミスを繰り返していると、周囲から見限られてしまう原因になります。
「あ、あの栄養士さんまた間違ってるよ……何回目?」という不信感が現場に募っていくと、信用してもらえなくなってしまうでしょう。
特徴⑤要領が悪すぎる
あらかじめ準備しておけば良いことをしていない、動作が遅い、という人もなめられる傾向にあります。残業をしてでも終わらせるという精神で仕事をしていたとしても、他の人が終わらせられているのであれば、「仕事が遅く要領が悪い」ということです。
特に厨房作業はチームで行う仕事です。1人が遅れると全員に影響してしまうので、要領が悪いと周りに迷惑をかけてしまいます。
特徴⑥報連相や納期を守ることができない
仕事を納期までに終わらすことができなかったという経験は、誰にでもあると思います。しかし、そのとき、上司や周囲に相談しましたか?
仕事におけるコミュニケーションの基本は、「報告」「連絡」「相談」です。
これは栄養士に限らず、フリーランスの人も会社員の人にも当てはまります。
もうなめられたくない!今すぐできる対処法
仕事場でなめられてしまう理由については先ほどお話しました。なめられている……と悩んでいる人は、先ほどお話した項目を改善しましょう。
ここからは、なめられている栄養士が現場と円滑にコミュニケーションをとるための対処法についてお話します。
対処法①堂々とした態度で仕事に取り組む
なめられる原因は、「気が弱そう」「おとなしそう」「若いから従ってくれそう」というような相手の思い込みによるものもありますので、まずはそういった印象を払拭するようにしましょう。
声が小さいならハキハキ話す、ミスが多いなら次は同じような間違いをしない、といったことを心掛け、背筋を伸ばして堂々としていれば、次第に舐められなくなるでしょう。
いかなる理由があろうとも、私は栄養士を見下す調理員を許しません……
病院や福祉施設の現場で、パートの調理員や調理師が、栄養士に命令をするようなことはあってはならないのです。(委託の店長等、トップが調理師の場合は別)
病院では医師が一番権限と責任を持っています。看護師やその他コメディカルが先生に指示を出すなんて言語道断。理由は免許が違うからです。
どうして厨房で、本来組織のトップである栄養士がなめられるんでしょうか?もし、そんな態度をとる人がいれば、その人は組織図を理解できない社会性のない人ということで、相手が非常識なだけです。
常に威圧的な態度で仕事をすることはコミュニケーション不全の原因になるのですすめませんが、あまりにも「なめた態度」をとる人には毅然と接したらいいのです。
私も20代前半のときは、ここまで強気では言い切れませんでしたけど、こう考えるようになってから少し気が楽になりました。
対処法②清潔感のある身だしなみをする
もし、あなたが見た目でなめられているのであれば、身だしなみを整えましょう。身だしなみを整えるといっても、別に整形をしたり、派手なメイクをしたりする必要はありません。
栄養士の場合はスーツで出勤することはないと思いますが、スーツならクリーニングに出して手入れをする、だらしない私服で出勤しない、髪型は整える、職場にふさわしい程度に奇麗な化粧をする等、もしも今できていないことがあれば、改善してみましょう。
対処法③コミュニケーションをとり、実績と仲間を作る
仕事で実績を作るためには、周囲との円滑なコミュニケーションがかかせません。もし、なめられている原因が周囲との心の壁、コミュニケーションの不足、にあるのであれば、人間関係の修復も図っていきましょう。
挨拶を大きな声でする、負担にならない範囲で差し入れのお菓子を持っていく、昼休みはスマホを見ないで周囲と話をする、等でも関係性は少しずつ変わってきます。
コミュニケーションが円滑になってくると、少しずつ仕事もスムーズにできるようになってきます。仕事への姿勢を見直し、同じミスをしないようにして、仕事の実績を作っていきましょう。実績を作り上げていくとなめられていた人、から仕事ができる人、へと周囲の目も変わっていきますよ。
それでも無理なら転職も視野にいれて……
もし、これらの対策と全て行っても、周囲の反応が変わらないのであれば、組織か人間が少し病んでいる職場なのではないでしょうか。
配置転換が可能な規模の職場でない場合は、転職も視野にいれましょう。直営の病院や施設、保育園であれば、配置転換は難しいかもしれまんので、思い切って転職したほうがいいです。
管理栄養士や栄養士の免許があれば、職を失うことはありません。自分のことを信頼してくれない仲間と長く仕事をしていると、精神的な負担が大きくくなってしまい、心を病んでしまうリスクもあります。
そもそもアナタが新人栄養士なら……助けてくれる先輩や上司はいる?
そもそもアナタが新人栄養士なら、「新人がなめられる」ような組織は、組織としてのモラルがありません。「科長」「店長やエリアマネージャー」などの役職者は、職場に新人を受け入れた際に、正しい指導をして、活躍してもらえるように業務を調整しなければなりません。新人がなめられてつらい思いをするような職場は、管理職サイドのマネジメント力がない職場ということです。
まっさらな新人を採用しておいて、仕事ができないことを理由になめた態度をとる人が多く、かばってくれる上司も先輩もいないのであれば、その職場はブラックな職場の傾向があると言えるでしょう。
悲しいかな栄養士という業界はこういう傾向にある……
これは少し悲しい話ですが、栄養士の業界は非常にこういう傾向にあります。特に栄養士の配置人数が少ないところに、現状をよく分かっていない事務の職種の人が「免許を持っているから大丈夫」と新人を採用してしまったというケース。
事務サイドは「免許があるから大丈夫」現場は「栄養士のくせに仕事ができない」新人栄養士は「経験が少ないといって採用されたのに何も教えてもらえない」という悪循環が起こっているところも少なくありません。
もし、職種に関係なく、フラットに仕事がしたい、正社員に囲まれて仕事がしたいと思うのであれば、栄養士を辞める選択も「アリ」でしょう。どのような職場であっても、栄養士は「役職は平なのに」イキナリ中間管理職のような仕事を任されることがあります。
栄養士免許を持っているからといって栄養士という職に就かなければならないわけではありません。「自分を大切にしてくれる職場」で「自分の力を社会に還元」し「正当な報酬を得る」ことは人生を豊かにしてくれますよ。
私たち大人は働かなければなりません。生活のために。でも、生活を豊かにするために働く仕事で消耗し続けるなんて、おかしいですよね。
それでも栄養士にチャレンジしたいなら職場を変えよう!
栄養士の業界は新人のうちはなめられる傾向にあるとお話しました。それに対する対処法としては、給食会社であれば大規模な現場の求人、病院や施設ならベッド数が多い求人を探し、面接で「管理栄養士の配置人数」を聞いておくことです。管理栄養士が複数名配置されていれば、指導をしてもらえたり、分からないところを聞けたりすることができるでしょう。
また、今回お話した内容に当てはまらない状態で「なめられている」というのであれば、それはもはや「いじめ」かもしれません。退職することは勇気がいるかもしれませんが、こちらに落ち度がないのにそのような状況が続くのであれば、次の環境を探すほうが、自分の人生を豊かにしてくれるでしょう。
さいごに:なめられる原因が「自分」なら改善を「環境」なら転職を
自分が原因でなめられてしまう場合の原因と対処法をお話しました。性格や話し方は長い人生のなかで作られてきたものですので、そう簡単に変えることはできないかもしれませんが、もし当てはまることがあれば、少しずつ改善してみてください。
しかし、自分には原因がなさそうなのに「なめられる」なら、転職してしまうことで解決するかもしれません。人の尊厳や誇りはいかなる場合も傷つけられてはいけないものです。あまりにも酷い場合は、組織そのものにモラルがない、いわゆる「ブラックな職場」かもしれません。
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