管理栄養士を辞めたいと思ったときは、すぐにやめるべきです。給料が安いとか人間関係がよくないとか色々課題は多いと思いますが、病みかけたらすぐに辞めてください。
今は施設管理栄養士としてコツコツ頑張っている私ですが。私の転職回数、20代後半の時点で既に4回ありました。
なんだかんだこの職種を続けているのですが、病みかけたことがあります。病んだ理由は施設管理栄養士がクレイジーで自分自身も休みがとれなかったとか色々あるんですけどね。
今回の記事では、「病みそうなくらい頑張っている管理栄養士・栄養士のみなさん」へ「病みそうになったらすぐに辞めていいからね」ということを伝えたいと思います。
これまでの転職経験を活かした転職ノウハウてきなことはまた別の機会にお話しますので、今回は病むまで追い詰められている新人んさんへ、かつての自分へのメッセージ的なお話です。
病みそうになったら「辞めないといけない」
管理栄養士をやっていると、特にGW明け頃から、病みそうになっている新人さんの話をTwitterで見かけます。
病院・施設側の管理栄養士のパワハラがひどいです。契約外の業務をおしつけられるし、直営の管理栄養士というだけで、こちらに対して威圧的な態度をとってきます。逆らえないしエリアマネージャーの上司も、「お客様相手なんだから我慢しろ」しか言いません。
もう今月は20連勤。私が休むと人がいないし、食事が出ない。誰も助けてくれない。上司は「若いうちは現場をやれ」といい、助けてくれません。
きっと彼女たちは「自分を守ってくれる労働基準法」の存在を知らないか有効活用できないか、「昔からこうだから」はパワハラになることがあるとか、まだ知らないんですよね。上手く立ち回る方法も分からないし、とりあえず目の前のことを頑張ってしまう。
戦うすべを知らない、戦おうとも思えない、ああ…もう無理…って。
そして、心を病んでしまうか、病みそうになる。仕事中に涙がでる、行きたくないな~なんてレベルではないくらい仕事に行きたくない、あれ?これって鬱なの?そう思いつつも、まだ大丈夫、まだ仕事に行けている、そう、つい頑張ってしまう。
やっともらえた内定、最初に働くことになった職場、すぐに辞めたら次の仕事はあるのかな、私なんてどこに行ってもダメなんじゃないか、せっかく管理栄養士になれたのに親に申し訳ない…
いいですか、もし、あなたがこうなっているとしたら、すぐに仕事なんか辞めていいんですよ。
一番大事なのは心と体。精神と肉体のどちらかが悲鳴を上げたとしたなら、辞めたらいいんです。
というかね、若い女の子が(男の子も増えてるだろうけど)、暗い厨房で、良くない人間関係の中で、火傷をしたり、重いものを持ったり、怒鳴られたり休みがなかったりする環境、正常だと思います…か?
そんなわけないよね!
これは管理栄養士に限った話じゃないかもしれませんけど、とにかく、もし、あなたがこんな目に合っているとしたら、それは環境が悪すぎます。
心と体のどちらかが「やばい」と思ったら、すぐに辞めていいんですよ。
あの時辞めてよかった。死ぬかと思った。
国家資格は消えない。一生。
私たちの国家資格は、仕事を辞めても消えません。管理栄養士は更新制の免許ではありませんので、国家試験に受かったあなたは一生管理栄養士さんです。
今の職場を辞めたら「株式会社●●の管理栄養士」や「●●病院の管理栄養士」という肩書はなくなります。でも、あなたが管理栄養士であるという事実は消えません。
この先、管理栄養士を辞めて事務員さんになっても、とりあえず喫茶店でバイトをしてみても、心機一転Webデザイナーになっても、看護学校に通い始めても、無職で生活保護をもらったとしても、あなたは管理栄養士です。
実は、これって結構強みなんですよ。
普通の会社員が会社を辞めたら、「元会社員」。公務員が辞めたら「元公務員」。でも、国家資格を持っている私たちが「元管理栄養士」になることはないです。
そして、管理栄養士免許を持っている限り、仕事がなくなることはありません。今後AIが発達したら分かりませんけど、少なくとも2020年現在、求人はそこらじゅうにたくさんあります。
だから、管理栄養士が嫌になったら管理栄養士の仕事に就かず、違うお仕事をしてもいいと思います。そして、そこで失敗しても、管理栄養士の求人はたくさんあるわけなので、少なくとも「くいっぱぐれる」心配はない。
管理栄養士の活躍の場はたくさんあります。管理栄養士の求人にはいつでもチャレンジできるので、今の職場を辞めても「つぶしがきく」ことは私たちの強みです。
辞めるときにサクッと姿を消す方法
さて、心または体がつらくなったときは、サクッと辞めてしまいましょう。あなたが辞めたい現場は、人手不足ですか?充足しているけれど離職率が高い職場ですか?
採用するときは「うちで頑張ってほしい」という期待を込めていたり「洗脳してうちで使いやすいようにしてやる」と思われていたり、悪評がたってるから「新卒しかきてくれない」だったり、まあ、多くの職場では「新人に辞められたら困る」ものです。
そのため、上司に辞めたいと申し出た際には、ひきとめられる可能性が大。しかも、自分もなんだか後ろめたいような気持ちになってしまう…例えば次のような理由で。
①上司が辞めさせてくれない
②人手不足・食事が食べられなくなる人がいるのではという不安
③親や家族に申し訳ない
でも、こんなことを気にする必要はありません。
こういったケースの対処法をお伝えします。
自分が抜けたら「この人たちのごはんはどうなるの?」とか考えない
会社が人手不足で、自分が辞めたら食事を食べられない人がでるんじゃないか?という不安と責任感から、つい仕事を辞められない栄養士さんは多いと思います。
こういったタイプの栄養士さんの責任感って本当に強くて、人に迷惑をかけられないなって考えちゃうんですよね。そして食事に携わる者としての誇りも高い。
でも、「個人」が給食を出しているわけではないので、もし「食事を食べられない人」が出たとしても「その責任は一人の管理栄養士が追わないといけないのか」という点を少し考えてみてはどうでしょうか。
一人の栄養士が仕事を辞めた後、その組織に残った人たちが責任をとるわけで、それは辞めたあなたの責任ではないです。
なんのための施設長、病院長、栄養科課長、なんでしょうか。なんのためのエリアマネージャー、SV、社長、なんでしょうか。
給食の現場で、最前線で頑張っているのは栄養士さんであることが多いですが、責任をとるべき立場にあるような人は、組織のもっと上にいますし、法人で仕事をしている以上、何かあれば責任をとるのは法人。上の人も「法人」として責任をとるだけ。個人が責められることはありません。
法律的には、正社員のような「雇用期間に定めがない」方は、いつでも仕事を辞めてOKです。辞めます!と宣言してから14日後に辞めていいんです。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法第六百二十七条 期間の定めのない雇用の解約の申入れ
雇用されてから6カ月が経過していれば有給休暇が10日あるでしょう。10日間の有給消化をして、4日間は欠勤にする、とすれば、もう即日出勤しなくても、責められることはありません。
心と体が悲鳴をあげているときは、これくらいの強硬手段をとっても良いのですよ。それが「働く人の権利」です。
上司が辞めさせてくれないなら無視して良い
退職を宣言すると、中には「辞めさせない」という上司もいるでしょう。その攻め口はいろいろあり、
うちの会社はまだ甘い!お前なんかどこに行っても使い物にならないぞ!とりあえず来月も来い!
管理栄養士としての考え方が甘いんじゃない?そもそもあなたが辞めたら患者さんはどうするの?そういうこと考えた?とりあえず来月もシフト組むから。
みたいなのがいるでしょう。
しかし、先に述べた通り、正社員のような雇用をされている人は、すぐに仕事を辞めても問題ないです。上司は辞めたら無関係の人になるだけなので、気にする必要はありません。そもそも辞められたら困るんだったら新人を大事に扱えよって話です。
あと、日本という国は「職業選択の自由」が憲法で決められていますので、たかだか上司にここまで言う権利はありません。
親や家族に申し訳ないとか思わない
あなたはどうして管理栄養士を目指しましたか?
食べることが好き!管理栄養士ってなんかかっこいい!理科と家庭科が好き!国家資格をとって働きたい!
まあ、こういう理由が多いでしょう。
そして、それを応援してくれた親御さんがいるから、今の自分がいて、親も就職を喜んでくれた。管理栄養士の養成校の学費は決して安くはない。実習も国試も応援してくれた。
辞めたら、親を失望させるんじゃないだろうか…?
あのな!我が子が病んでるほうがつれえわ!
ということで、親に申し訳なくて仕事を辞められないという人は、自分の現状を冷静にみてみましょう。
栄養士以外の仕事を探すなら、こちらの記事も参考にしてください。
アナタの人生にとって今の職場は必要ですか?
ここまでいろいろ話してきましたが、一番大事なことは、「自分の一生を考えたときに今の職場が必要かどうかを考える」こと。
もし、精神的にも肉体的にも自分を追い込んてくるような職場なら必要ないんじゃないでしょうか。
目の前の患者様や利用者様をみていると、自分が辞めたらこの人たちに迷惑をかけてしまうんじゃないかと思い、心身ともに病んでまで頑張ってしまう栄養士さんを、たくさんみてきました。
私自身もそうなりそうになったことがありました。
でも、一番大事なのは「自分の人生」。
完璧な職場にはなかなか出会えないものですが、「自分を不幸にしてしまう職場」からは今すぐ脱出しましょう。
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